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「箱根がいい〜!」
「温泉でも入りたいんか」
「よく分かったね…流石サトリ…」
「いや多分誰でも分かるで」
由奈のその一言により旅行先は箱根に決定した。
適当にプランを立ててやると由奈が目を輝かせて見てきた。
本当に、飽きない奴や。
告白したのは一か八かだった。
もうこの際言ってしまえと思った。
この燻った思いは胸に閉じ込めておくには強すぎたのだ。
由奈は顔を真っ赤にさせていたし、少しは期待してもええんやろか。
「箱根…!来たぞー!」
「電車長かったなぁ」
二時間在来線に揺られてやっと箱根についた。
由奈の行きたがっていた美術館に行き、それからまた美術館に行った。
一々何かに反応する由奈を見ていると、楽しかった。
やっぱり自分は由奈が好きなのだと自覚した。
「一緒に写真撮ってもらお!」
「せやなぁ。あの職員さんに頼もか」
「うん!すいません〜写真お願いしてもいいですかー!」
由奈が職員さんの元へ走って行った。
傍から自分たちはどのように見られているのだろう。
多分普通のカップルなんじゃないかと思う。
「カップルで旅行ですか?」
ほら。
やっぱそう見えるんや。
由奈が隣で口をパクパクさせていた。
「あ、えっと、…」
「これから彼女になる予定なんですわぁ」
そう言うと職員さんはにこやかに見てきた。
「由奈険しい顔しとるで。笑わんと」
「い、今吉のせいだからね…」
「ほな花宮の眉毛剃る想像してみ?」
そう言ってやると由奈が笑いだした。
ホンマ単純な奴や。
まあそこが好きなんやけど。
はいチーズ。
写真に収められた由奈と自分は見事満面の笑みを浮かべていた。
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