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「うわぁあ!美味しそう!!」
「思ったより豪華やな」

お互いに温泉に入った後、部屋で食事を取ることになった。
浴衣を着た由奈はいつもより大人っぽく見えた。
思っていたよりも豪華な食事に由奈のテンションはぶち上った。

「美味しい!」
「せやな。普通に滅茶苦茶旨いわ」

由奈は美味しいを連発しながら食べていた。
そんなに嬉しそうだとこっちまで凄い嬉しくなってしまう。
目が合うと由奈は嬉しそうに笑った。
それより由奈のキャパより食事が多いけど大丈夫やろか。



「お腹いっぱいだ…苦しい…」
「本気出しすぎやアホ」
「だって…美味しそうだから…」

やっぱり多かったらしい。
由奈は苦しそうな表情を見せた。
ホンマアホや。
高1の頃から全然変わってないやん。
そう思っていると最後にデザートとワインが運ばれてきた。

「うわぁ…美味しそう…」
「食べれるん?」
「別腹!」

二人分のワインを注ぐと、仲居さんは部屋を後にした。
妙にしんとした部屋に柄にもなく緊張した。

「乾杯、しよか」
「うん」

グラスがぶつかって小さく音を立てた。
少し甘いワインを飲んでから、口を開いた。

「ワシな、由奈に罪悪感があったから由奈に告白するのはやめるつもりやったんや。由奈に罪悪感を抱いたことを知られたらもうワシは由奈の傍にはおれんと思うとったからな」
「…そうなんだ、」
「せやから由奈にそれを伝えられてよかったと思うてる。もしそうせえへんかったらワシは由奈とあれ以上深い仲にはなれんと思うんや」
「…そうだね」
「一回は由奈のこと諦めたんよ。でもな、やっぱり由奈のこと好きみたいなんやわ」
「……」
「一緒に旅行来てくれるってことは、少し期待してもええんやろか」

罪悪感があった事実を由奈に伝えらえないままだとしたら、多分自分は由奈に真っすぐ好意を伝えることすら出来なかった。
三年以上ずっと少し拗れた関係だった。
あの時、二人で遊びに行った時由奈が罪悪感があることを切り出してくれなければ、きっと今こんな風に二人で出掛けることなんてなかった。
多分一番近い友達として、由奈が幸せになる様子を見ているだけになってしまっていたんだろう。

「期待してよ」

由奈がそう笑って言った。



 

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