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罪悪感というのは心に住み着いたら中々なくならないものだ。
今吉が私に罪悪感を抱いていることは何となくわかっていた。
でも私はずっとそれを確かめることが出来なかった。
怖かった。
罪悪感だけで私の隣にいると言われてしまえばもう、私は今吉から離れなければならないと思っていたからだ。
だからあの日、罪悪感があると言われてやっぱりちょっとショックだった。
でも、スッキリした。
強姦未遂に合って、恋心を殺して今吉に甘える道を選んだ。
今吉はただ私が可哀想だから、隣にいてくれるだけだと思っていた。
でも今吉が罪悪感なんてもの抜きにしても私の隣にいたいと、言ってくれた。
今吉なりに精一杯の言葉なんだと、私は何となく思った。
だから私はやっぱり今吉の隣にいたいと思ったのだ。
「私はさ、高1の頃から結構今吉のこと好きだったよ」
「…それはちょっと知っとった」
「あれから、今吉に結構依存してるんだよね。今吉が私のこと好きだなんて知らなかったからさ、ただ隣にいてくれた今吉を利用したんだよ」
「それでもええ」
「やっぱり私も今吉の隣にいたい」
「…」
「やっぱり、今吉の事が好きなんだ」
不思議と涙は出なかった。
今吉が好きだと、私は言いながら自覚した。
ああ、やっぱり私は今吉が好きなんだね。
この性悪の隣にいて、ずっと好き勝手していたいのだ。
「ほな、付き合うてくれるん?」
「当たり前じゃん、バカ」
今吉が笑っていた。
その顔を見ていると急に恥ずかしくなった。
自棄でグラスのワインを一気に飲むと、少しクラクラした。
全部、今吉のせいだ。
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