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「花宮くんはてっちゃんの知り合いだったんだね」
「そうですよ」
「猫被ってるんだってね」
「………聞いたんですか」
花宮くんが少し驚いた顔をしていた。
あの笑顔が崩れたことに私は少し得意げになった。
花宮くんが苦手だと思った訳は、多分この猫かぶりが原因なのかもしれない。
「取り繕わないでいいよ」
私だって人を遠ざけるのを止めるのだから、花宮くんにだって素で接して欲しかった。
もしそれが出来ないのだったら、私も素を出すことなんて出来ない。
「私と友達になって」
後輩だけど、友達になって欲しかった。
サークルの中に仲のいい友達は数人できた。
でもみんな女の子で、男友達といえば今吉しかいなかった。
今吉は私を独り立ちさせたいのだから、私は頑張らなければいけないのだ。
花宮くんはやっぱり少し驚いた顔をしてから、呆れたように笑った。
「ふはっ、なってやるよ」
花宮くんの素はこれなんだ。
そう思うと何だか少し嬉しくなった。
「ありがとう」
久しぶりに今吉とてっちゃん以外の男の人と話した。
私、成長してる…!
もうちょっと友達っぽいことをしてみたくなってしまう。
「お昼、一緒に食べようね」
ショック療法で行ってみよう。
いや…でも二人で食べるってハードルが高いかも。
調子に乗ってしまった…
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