編入

響也と一緒に星奏学院に転校してきた目的は勿論ヴァイオリンの勉強の為!
響也もなんで俺がとか文句いいながら一緒に転校してきた。

編入して校長先生に会い私の履歴書をみて部活動の入部申込み書を渡された
オーケストラ部を特にすすめられ…
なんだかんだいいながら響也と校内を歩いてるとオーケストラ部が使っている音楽室の前まできていた。

「ああ、緊張するよ〜
部長の前でミスしたらどうしよう!」

「なんだ?あの人ごみ…何かあんのか?」

廊下には楽器をもった生徒が列を作っている

「これは?何の列なの?」

気になってすぐ隣にいた男子生徒に聞いたら話かけるなと怒られてしまった…
そうすると音楽室から一人眼鏡をかけた男子生徒が出て来て

「じゃあ次の人入って下さい
ええと、そっちのあなたたちは……そのケース、ヴァイオリンかじゃあまずは女子からどうぞ
レディファーストだ」

「ちょ、ちょっと待てよ!
俺達は別に部員ってわけじゃあ」

「わかったわかった順番に呼ぶから君はちょっと待っててよ」

「待てって俺は関係ねぇし
ただの付き添いだぞ!」


話を聞いてくれず、音楽室へと入ることに。


「部長、あとヴァイオリンは2名です


眼鏡をかけたロングヘアーの女子生徒が部長らしき人物にいう。

「わかった」

「じゃあせかして悪いけど調弦したらすぐにひいてくれるかい?」

いきなり演奏しろと?

「…?何をひいたら??」

「あれ?資料いってなかった?
選曲は自由だよ
自分の一番得意な極限でいいって」

よく分からない展開になったが精一杯ひこう。
パルティータ第3番をひく

「お?いい感じ」

「結構うまいわ、こんな子オケ部にいたかしら」

「そ、そういえばこの子誰だっけ?」

「小日向…なぜおまえがここに」



ぱちぱち
回りとは制服のシャツの色が違う背のたかい男子生徒が拍手をしてくれた。
良かった、上手く弾けたみたい。


「ブラヴォー!
すごいじゃないかとってもよかったよ!

こんなチャーミングな子が学院にいたなんて気づかなかった
俺もまだまだ調査不足だな…

きみ新入生?じゃないな
そのタイの色は2年生か」


「ええと……(なんていおう…?)」

「今日付で学院に編入してきた生徒だ」

「やっぱり昨日言ってた律の幼馴染か」

「ひなちゃん
聞いてたよりもっと可愛いね」

がちゃ
廊下で待っていた響也が入ってきたなんか怒ってるのかな…

「おや、もう1名のご登場だ
とすればさしずめあれが…」

「はっ
ふんぞりかえって【テスト】だなんていいご身分じゃないかクソ兄貴」


響也にクソ兄貴と言われた人物
私のもう一人の幼馴染。
律だ。
さっき部員に部長と言われてたから律が部長なのだろう。

「汚い言葉は慎め響也は
品位を疑われる」

「ワルかったなアンタみたいに上品じゃなくて」

「ははっ似てない兄弟だな君らは」

「誰だよ、あんたは?」

「俺?俺は榊大地

ま、一応ここの副部長だよろしく
じゃあ次は弟君の番だ
どんな曲でもいいからひいてみてくれるかい?」

「ひく?俺が?なんで」
急にヴァイオリンをひけと言われた響也は嫌な顔を隠さず。
もう少しは隠さなきゃ…!

「やる気がないなら不要だかえっていい」

「なんのテストかもわかんねぇのにやる気が出るやつなんかいるのかよ!」


「やれやれ困ったな…
話してなかったのか?律
今オケ部でなにやってるとか【全国大会】のこととか」

「全国大会ぃ?」

「聞いたことないかい?【全国学生音楽コンクール】小学生から高校生の部まで数百の団体が参加する。

その室内楽部門にうちのオケ部もアンサンブル参加するんだ。

今はその予選の地方大会の準備中
出場するアンサンブルのメンバー選抜しているんだよ。」

「ああ、そうかなるほどね
全国大会が目標だからこんなにピリピリしてるってわけか。」

「違う。」

「?でも今」

「全国出場ではない
目標は全国の頂点をとること【全国制覇だ】」

「全国制覇って1位?正気でいってるのか??」

「当然だ」

「ま、突然そんな話を
聞かされちゃ驚くのも無理はない
【全国の頂点をとる】なんて手の届かない夢みたいだと思うだろ」

「わかってんじゃねぇか」

「でも毎年必ずどこかの学校が頂点。
今年は俺達が優勝する
それだけのことだ」

「それだけって」


「勿論楽なことじゃないってのは分かってるさ
強豪校沢山いる吹奏楽の古豪仙台の至誠館、
海外留学で固めた関芸大付属目下、九州大会16連覇中の九州の女帝サンセシル
そして昨年のヴァイオリンソロ部門優勝東金千明を擁する神戸の神南」

「かれらだけではないまだ我々が知らない素晴らしい演奏者みきっといる
参加するすべての学校の生徒が競いあう相手だ」

「すべての生徒…」

オケ部に入って全国大会優勝めざせば多くの演奏者と巡りあうはずだ
沢山のライバルとの出合いがそこにある


「私やってみたい!」

「ななななにいってんだよ!本気か?」

「……小日向」

「ははさすがに舞台なれしたいい度胸だそういってくれると期待していたよ
俺たちも丁度2ndヴァイオリンのメンバーを決めかねていたんだ
よしこれで無事にメンバー決定かな?」

「………………だめだ」