部員ではない…?

「え?」

「彼女はオケ部の部員ではない」

「そりゃまだ部員じゃないかもしれないが

ほらオケ部の入部申込み書も持ってるみたいだ
それに幼馴染なら気心もしれてやりやすいんじゃないか?」

「そんな理由でメンバーを選ぶ気はない」

「でもさ、律」

「榊先輩、如月部長のおっしゃるとおりです」

また知らない人が入ってきた、金髪の。先輩っていってたから同い年か後輩かな

「その人がオケ部の部員ではなかったら出場者として選ぶのは適切ではないと思います」

「…お前さっきの」

「僕は音楽科1年、チェロ専攻の水嶋悠人です。
外で聞かせて頂きましたがどうも雲行きがあやしいようなので」

「んーー?そんなにおかしいか
ほらひなちゃんは入部届もってる
もうほとんど部員
も同然ってことじゃないか
気にするなって 可愛い新入部員は歓迎しないと」

「細かくなんてありません
榊先輩もご存じでしょう?
部長印と顧問印担任印がそろうまではその書類は友好ではありません
第一、突然新しい部員を迎え入れたとしてもアンサンブルが成立するでしょうか
参加するのは、室内楽部門アンサンブルでの参加です
いくらソロの腕が良くてもアンサンブルでの能力を発揮できるかどうかわかりません
オケ部の部員はこの夏の大会に向けて小編成のアンサンブルの訓練をしてきました
みんなこの夏に照準を合わせて練習してきたんです
メンバーは今まで音を合わせてきた部員から選ぶべきではないでしょうか

それとも、彼女がいないと勝てないとでもいうんですか?」

「まぁまぁそんなにすぐ熱くなるなって
そうだな、気になるならアンサンブルでもテストしてみたらどうだい?」

「えっ?」

「学内選抜をもう一度行うのか?」

「ち、地方大会はもうすぐなんですよ!?」

「ま、しょうがない
そうでもしなきゃみんななっとく出来ないだろう?」

「………………小日向………
やりたい気持ちに変わりはないか?」

「うん」

「そうか」
わかったならばアンサンブルで再選抜を行う
期日は1週間後
出場を希望する者各自アンサンブルを組んで参加するように」
ずっと話を聞いていた他の部員達がまたチャンスが…と喜んでいた
誰であろうと条件は同じこと詳細は追って掲示するといい律は音楽室を去っていった

「待って下さい如月部長!」

水嶋君も律を追って去っていった…

とりあえず【学内選抜】に出ることに

「さておおごとになったね
ま、1週間あれば入部手続きには十分余裕だ 頑張ってくれよ期待してるから」

「けど、お前どうすんだよ
転校してきたばっかでロクに知り合いもいないってのに
アンサンブル組む相手なんてアテがあるのか」

「そうだな
ま、言い出したのは俺だし俺と組むかい?」

「え!いいんですか嬉しい!」

「ははは、そう歓迎して貰えると俺も嬉しいよ」

「助かります!」

「さっきの演奏は良かった
君にオケ部入って貰えると助かるって気持ちに嘘はないよ

ってなわけで俺も真面目にやるからよろしく、ひなちゃん」
と榊先輩がウィンクしていうものだから少しドキドキしちゃった。

「ま、待て待て待て!
なんだその手!なれなれしいっつうかセクハラだろ!」

「セクハラ?違うってこれは単なるスキンシップ親愛の情
可愛いものをみて可愛いと思うのは人間の当然の感情だろ?」

「うるっせぇ!
何がスキンシップだよ!!

俺も参加する」

「え?」

「お前も?やれやれ弟君は過保護だな」

「その呼び方やめろ
俺は律のおまけじゃあねぇぞ
アンタを放っておくのはヤバそうだし
アンサンブルっていうなら3人ぐらいいた方がいいだろ」

「オマケが一人ついてくるとは思わなかったけどしょうがない
ま、仲良くやろうか」

「はいっ!」