「か、か、か、風見さん……!」

「なんだ朝から騒々しい。仕事しろ」

「喫茶店に、安室透なる男がいたんです!」

「は?……ああ、会ったのか」

「会ったのか!?つまりやっぱりあの男は降谷先輩ということですね!?」

「どう見てもそうだろう」

「どう見ても!?」

「テンションを下げろ」



「………ものすごい爽やかな笑顔向けられたんですけど」


「誰にでも優しく爽やかで害のない青年、それが彼だからだ」

「初耳です。もしかしてトリプルフェイスの一つがあれですか?」

「そういうことだ」

「ということは、今降谷先輩が就かれている任務の一環ということですね……」

「そうだが、それがどうした?」


「最近忙しくて行ってなかったんですけど、わたしあそこの喫茶店の常連で、従業員や他の常連客の方々と懇意にさせてもらってるんです…」


「なるほど…。で、先日はどう対応したんだ?」

「逃げ帰りました」


「は?」


「白い歯で、口角しっかり上げて、めっちゃ爽やかに笑いかけられた瞬間華麗にUターンバック決めました」


「…………」


「ですよね。やばいですよね」






「…………そうかもな」


「いやぁー!この際はっきり言ってください!あれ以来まだ降谷先輩と顔合わせてないんですよ!」

「知らん。自分のしたことだろう。後始末くらい自分でやれ」

「殺生な……。風見さん、わたしたちの仲じゃないですか…」

「お前と何かの仲になった覚えはない」

「ああ無情!……っひぃ」

「どうした?…あぁ、降谷さんから電話か」


「このタイミング、まさかわたし盗聴器しかけられてるんじゃ…!」

「そんなことを言っている間に、コール数を稼ぐ方が後々恐ろしいと思うがな」

「はいもしもし!名字でごさいます!」

「ございますって……」

「はい、はい……え、いや、ちゃんと仕事してましたよ」

「………」

「え!?いや、わたし今案件が立て込んでまして…!………あ、はい。さすがです先輩…」

「………」


「……分かりました。すぐに伺います。失礼します」


「………」


「………」



「…………言わなくても分かる」


「……できる上司は部下の仕事の進捗具合まで完全に把握済みなんです」

「ああ」

「風見さん、今日先輩に渡すデータがあるそうで……?」

「これだな。すべて解析済みですとお伝えしてくれ」


「…………名字名前、鬼ヶ島に出向してきます…」


「行ってこい」




おじいさん、きびだんごを持たせてください


(誰がおじいさんだ)



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