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「おかえりー」
「いやいや、お前の家じゃないでしょ」
「壮馬くんアヒージョ作ってて忙しいから」

梅ちゃんと斉藤壮馬宅のインターホンを鳴らすと、出迎えてくれたのは瑞希ちゃんだった。まるで自分の家のようにどうぞどうぞと部屋に通してくれる。まあ、こっちもこの家には何度もお世話になってるから勝手くらいはわかるけど。梅ちゃんがさりげなく手に持っていた紙袋をうしろに隠した。
案内をし終え慣れたように瑞希ちゃんはキッチンの壮馬くんの隣に戻っていった。もうちょい待ってねーと楽しそうな声と共に美味しそうな香りが漂ってくる。

「久保がキッチンに立つの、未だに見慣れないなって」
「わかる。生活感ないんだよね」
「料理できなさそうなオーラ?雰囲気が」
「なーに?梅原くんなんかいった?」
「なにもー!」
「瑞希ちゃんおなかすいた!」
「夏樹ちゃんうるさいよ〜」

毎日アボカドとサラダとかグリーンスムージーとかそんなので生きてそう、と言う梅ちゃんはいたって真剣だ。

「おまたせ」

瑞希ちゃんお得意の豚肉の紅茶煮とトマトとチーズのリゾット、そして壮馬くんお得意のアヒージョがテーブルに並ぶ。そこに梅ちゃんと買ってきたお酒が並べば最高な宅飲みのはじまりだ。

「瑞希ちゃん飲みすぎないでね、#伊織#ちゃんだけは明日朝から仕事だから」
「嘘でしょ、なんか裏切られた気分」
「瑞希ちゃんが普通に社会人やってたら間違いなく社畜だよ。断言する。」
「ほらほら、みんなにお酒がまわる前に、これ」

壮馬くんがろうそくが立てられたフルーツタルトを真ん中に置いて、火をつける。梅ちゃんが「俺ら3人から」と言って、上着の下に隠していた紙袋を渡す。彼女のグラスにスパークリングワインを注ぐのは僕の仕事。

「誕生日おめでとう!」

「全然気づかなかった、だから急に宅飲みなんて言い出したんだ」
「当たり前でしょ、何年の付き合いだと思ってるの」
「1日早いけど、瑞希の誕生日と、SolidSの新曲発売にカンパーイ!」

ありがとう、と笑った瑞希ちゃんは本当に幸せそうだった。