■ ■ ■
別の部屋から出てくる彼女の背中を見つけ、終わり?と声をかける。
「雨やみましたかね」
「どうだろ。降ってそうだけど。」
彼女のトートバッグにはいつも黒の折りたたみ傘が入っている。
雨女だからと、毎日持ち歩いてるのを俺は知ってる。
「傘くらい、明るい色持てばいいのに」
彼女の私物はいつだって真っ黒。
「うーん、黒がおちつくんですよね」
今日も上から下まで黒を纏った彼女。
俺がプレゼントした白いトートバッグが綺麗に映える。
「明日晴れるといいね」
「うん」
ひとつの傘で肩を寄せ合いながら、帰り道を急ぐ。
今日の夕飯は、昨日から煮込んだカレーだ。