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早く起きた朝はなるべく朝ごはんを作ることにしている。そのほうが健康的だし、なんだか1日頑張れそうな気もしてくる。今日は午前中暇だから本当はもう少し寝てても大丈夫なんだけどね。
味噌汁の鍋をかき回していると、するりとお腹に腕が回ってきた。
「あれ、起こしちゃった?」
「んー…飛鳥いなかったから。おはよう」
「おはよう。ご飯できてるよ。食べる?」
「たべる」
背中にぴったりとくっついた壮馬くんはそのまま私の動きに合わせてついてくる。動きにくいだろうに。頭に顎を乗せたまま喋らなくなった。背中とお腹から伝わる体温は高めで、まだ眠そうだ。
「お、今日もおいしそう」
「ふふん。和食テイストだよ。壮馬くん今日早いんだっけ」
「うん。次のイベントの打ち合わせもあるから」
「売れっ子は大変だ」
「いやいや、人のこと言えないでしょ」
ちゃんと自炊をするようになったのは壮馬くんと付き合い始めてからで、なかなかに生活水準上がったと思う。もう炊きたてのご飯の虜だよ。味噌汁とご飯、最強コンビすぎる。
それに自分が作った料理を美味しいと食べてくれる人がいるって、これけっこう大事だね。今でも嬉しくてニヤけそうになる。恥ずかしいから耐えるけど。
朝ごはんを食べ終わると壮馬くんは、まだ少し余裕があるのか片付けをする私の手元を覗きに来た。
「手伝おっか」
「ありがとう。でも大丈夫だよ。壮馬くんはテレビでも見てて」
「んー、じゃあ、ここにいていい?」
え、と振り返ると「なんか今日はそんな気分かも」と目を細めて笑った。不意をつかれたようで、カッと頬が熱くなった。いけない、油断してた。
見られないようにすぐに顔を逸らしたけど、後ろからくすくす笑う声が聞こえたから多分見られてた。なんてこった。
「大丈夫。かわいいよ」
「っか、わいくないし、仕事の声使うの禁止!」
「ふふ、はいはい。ごめんね?」
「あー!!」
「あはは!ごめんごめん!もうしないから」
壮馬くんの声に弱いことを知っての仕業か。この確信犯め、タチが悪いぞ。
そのあと私も精一杯の甘い声で壮馬くんやめて、と囁くと静かになった。私たち朝から何やってるんだろうね。仲良しか。…仲良しだった。
「っあー……今日休みだったらなあ…」
「何を考えていたんだか察しませんよ私は」
「飛鳥が悪い」
「まさかの私!」