「いうことは一つ。別れましょう。」
「もうそれは聞き飽きたよ!」



飽きるほど言ってねえべ?



現在、私たち(及川徹くんと苗字名前)は学校の帰り道にある喫茶店にいます。
いや、あのあとすぐ帰ろうとしたんだけど、『奢るから!』って言われたら仕方ない。だって今、金欠なんだもん。

ここのケーキは美味しい。ミルクティーとケーキの味がいい感じにマッチする。マスター、あんた最高だよ・・・!


まあ、この前及川くんと名も知らない美少女が行ったところだろうけどね!



「そうじゃなくて、なんで?なんでそんな、いきなり・・・。」
「別れた方がいいから・・・。」
「違う!経緯!経緯が知りたいの俺は!」

及川くんはさっきから大変そうだ。漫画だったら彼のセリフだけめちゃくちゃ感嘆符が飛んでいるんだろうな。
落ち着いて話せばいいのに。何をそんなに力を入れる必要があるのだろうか。彼もなかなか大変な人だ。



「じゃあちゃんと話すから、聞いてね。
えー先日ですね、ワタクシめは、貴方が仲良く女の子と歩いている所を見かけました。」
「でもそんなのいつものことじゃん」
「まじいっぺん星型クッキー目に刺さって部活休止しろ。」
「それ部活戻れないよ…失明だよ…。」


てかまず話の腰折るな!


「その日は私が君に共に帰宅するという誘いをした日だったんですね。
君の肩にはカバンがかかってました。この目でバッチリ目撃させていただきました。」
「そんな・・・見間違えじゃない?」



自分が夜遅くに終わる部活に所属しているって自覚があるのかないのか。
明らかに私の見たことをごまかそうとしている。なんでそんなことするんだ、こっちは別れようって言ってるんだから大人しく『確かにそうですね。』と言っておけばいいものを。

それに私は、

「裸眼5.0だぞ」
「何を見るためにそんなに目いいの?!」
「君を見るため〜」
「まあ・・・わからなくもない。」



冗談なのに本気で返されてしまった。腹が立った。

さっきまでの必死さはどこへやら。早速岩泉を呼びたい衝動に駆られる。もうスマホは片手にあるんだゾ。わかっているのかこの鰹節は。

というか、早く終わらせて勉強したい。私も彼も受験生だ、彼はスポーツで秀でているからどうするかは知らないが、私は普通の人間なので勉強をしなくてはならない。家で数学が私を呼んでいる声が聞こえる。



「一回だけなら何も言いません、しかしこれが立て続けに起こっては話は別です。」
「えっ」



えっ って何?
え、まさか私が気づいてることに気付いてなかったの・・・?うそでしょ・・・?
だって私、あの日からちょっと距離置いたじゃん。お昼ご飯友達と食べたりさ。



「2週間の徹底的な(たまに手の抜いた)張り込みによって私は一つの結論に至りました。

君、好きな人がいますね。」




及川くんは、息をのんだ。


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