◎1-02
5人連れ立って歩くが僕達が歩く音以外全く物音がしない。
「不気味だね。」
氷室さんがポツリと呟く。その声だけが響いて余計に不気味に思えた。僕達以外には誰もいないのだろうか。
続くのは空き教室ばかり。扉を開いても誰もおらず、鍵がかかっている所もあったが声をかけても中からの反応はなかった。僕達がいたのは二階だったようで階段は上下に続いていた。
「二手に分かれるか?」
「いえ、状況も分からず連絡も取り合えないのなら分かれるのは得策ではないでしょう。」
「じゃあどっち行く?」
「上でいいんじゃねぇの?多いほうから潰して行こうぜ。」
「そうですね。」
珍しくいいことを言った青峰くんの意見に従い上へ上がり、踊り場を折り返すその時、備品の倒れる音が響いた。ここにきて初めての物音。
「………どうしますか?」
額に汗が垂れる。他の人を見ても緊張しているのが分かる。行くしかないのだが、それでも確認を取らずにはいられなかった。
「行くしかないだろ。」
「では皆さん青峰くんの後に続きましょう。」
「尊い犠牲だ。」
「ありがとーみねちん。」
「墓前にはザリガニを備えておきますね。」
「お前のこと忘れねぇからな。」
「なんで俺が死ぬことになってんだよ!!」
押すんじゃねぇやめろと喚く青峰くんを紫原くんが押して音のした方にグイグイ進んでいく。すると真ん中あたりの教室の扉が開いた。
「みんなもきてたんスね!!!よかったっスー!!さみしかったんスよぉぉぉ!!!!!」
「「「「「………………。」」」」」
「えっ、なんスかみんあだぁぁぁ!!!!なにするんスか青峰っち!ってイタイイタイ地味に痛いんすけどみんなしてすねけらないでくださいっス!!!!」
「黄瀬くん、君も来てたんですか。」
「黒子っちなんでけりながら普通に話してくるんですかイタイっス。」
「察して下さい。」
殴った青峰くんの気持ちを君は理解できますか?
とりあえずいったん蹴るのはやめて話を聞きましょう。
「改めて黄瀬くんなんでここにいるんですか?」
「気づいたら教室で寝ててみんなの声が聞こえたから起きたら殴られたっス。」
「黄瀬ちん役に立たないなぁ。」
「黄瀬マジ死ね。死んで俺に詫びろ。」
「なんスかその理不尽。」
未だにけり続ける青峰くんを紫原くんに頼んで引き剥がしてもらう。
「最後の記憶はいつなんだ?」
「部活終わって帰るとこっスね。てかなんでみんな揃ってるんスか?変わったメンバーっスねー。陽泉の氷室サンっすよね?」
「キセキに知られてるなんて嬉しいね。」
「黒子っちが戦った相手は全員把握済みっスよ!」
「キモい。」
「きもーい。」
「「Gross.」」
「気持ち悪い。」
知ってしまった恐ろしい事実は今は置いておこう。帰ったらイグナイト廻ですね。
「黄瀬くんは1人ですか?」
「教室には1人だったっス。オレだけ仲間はずれはヒドイっスよぉ。」
「こうなると俺たち以外にもまだいるかもしれないね。」
「まだ上あるし探してみようぜ。」
仲間を1人加えて僕らは上に向かった。
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