◎4匹目

「………っ、落ちてた、な…?」

徹夜続きのまま警察庁に登庁し、パソコンに座って報告書をまとめていた、はずだ。なのに何故俺はベッドに寝ている?ここはどこだ?そして隣に寝ている女は誰だ?
知り合いの女達の誰とも違う。こんなアホ面かいて寝るようなやつはいない。なら俺は拉致された?いや、身体は自由だ。この女ならともかく成人男性をそのまま放置しておいても大丈夫なほどの猛者が犯人なのだろうか。それにしてもこの部屋やけに生活感があるな…。下から誰かがいる音もする。共犯者か?
とりあえずこの女を起こそう。期待はできないが何か状況が分かるかもしれない。焦りこそ最大のトラップ、そうだろ松田。

「おい、起きろ。」
「…ぅーん、まだ目覚まし鳴ってなぃ…。」
「目覚ましじゃない。いいから起きろ!」
「むりぃ……しごとやだぁ…。」

こいつ寝起き悪すぎるだろ!こうなってら少し脅すぐらいで…。

「起きろ、でないと腕を折る。」
「ん……目覚ま…し…??」

これはやるしかない。多少手荒だが仕方ない。
悪く思うなよ。

「起きイ゛ッッ「今何時?!やばい遅刻だ!!」

突然起き上がった女の頭が顎にクリティカルヒット!!降谷零のダメージは10,000!!降谷零はスタンを食らった!!
俺が痛みに苦しんでいる間に女は慌ただしく着替え部屋を出て行った。

「アイツ、殺す……!!」

帰ってきたらただじゃおかない。


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