◎受付嬢と小さな名探偵A

コナンくんに呼び出された。
いつ連絡先交換したかって?あの毛利さんを伺ってドッペルゲンガーに絡まれた後ですよ。可愛らしく教えてって言われたけどあれ絶対猫被ってるよ。まぁそこが面白いから気に入ってるんだけど。

「こんばんは。こんな遅くに大丈夫?」
「遅いってまだ19時だよ。それに上が家だしね。蘭姉ちゃんには言ってあるから大丈夫。」
「小学生連れ回したって通報されたら私死ぬからね、クビだから。大丈夫だよね?」
「大丈夫だって。」

そんな呆れ顔で言われてもこっちは職を失うかもしれないんだからね!死活問題だから!

「それで、話って何?あ、変人への対策法?」
「それはもう諦めた方がいいと思う。」
「なんで?!」

小学生がそんな達観した目できるの?!
見捨てないで!職失うのもの死活問題だけどこれも結構死活問題だからね!
ウエイトレスのお姉さんが注文を聞きに来たからとりあえずコーヒーを頼む。

「名前さんお腹空いてない?ここのハムサンドすっごい美味しいから食べてみてよ。」
「私夜はがっつり食べたいタイプなんだけど。」
「名前さんほんと見た目と中身合ってないよね。いいから騙されたと思って食べてみてよ。」
「店員の私が言うのもなんですがほんとに美味しいんですよ!もし足りないようでしたらパスタとかもオススメですよ?」

んーお姉さんがそう言うなら…。
みんなしてすごいハードル上げてたけど大丈夫なんだろうか。

「お待たせいたしました。」

持って来たのはあのドッペルゲンガー。あからさまに嫌な顔をしてるのに向こうはニコニコと人の良い笑顔を浮かべている。

「コナンくん、はめたの?」
「ち、違うよ!僕が来た時いなかったから!」
「ちょうど買い出しに出ていたもので。さっき帰って来てこのハムサンド作りました。」

テーブルに置いたのは見た目はまぁさほど他のものと変わらないハムサンド。ちらりとドッペルゲンガーを見やるとどうぞ、と笑顔で言われた。この笑顔はムカつくけど、食べ物に罪はない。いただきまーす。

「んむ?!?!」

なにこれ美味しい!!なにこれなにこれ!!

「ね、美味しいでしょ?安室さんのハムサンドは絶品なんだー。」
「もう他のハムサンド食べれない…。」
「毎日来ていただいてもいいですよ?」

こんな美味しいもの作る人があの変人のドッペルゲンガーなはずないや。

「今まで嫌いな人と似てるってだけで睨んですいませんでしたハムサンドの人。」
「安室透です。」

(これは通うレベルで美味しい)



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