◎小さな名探偵と小さな科学者と受付嬢


犯人を警察に引き渡したはいいが名前さんが手を離してくれない。

「コナンくんずるーい。歩美も名前さんと手繋ぎたいー。」
「吉田さん、あれは公開処刑よ。」
「なにそれ?」
「さぁ?江戸川君に聞いてみたら?」
「ほっとけ。」

ちょっと引っ張ってみるがより強く握られる。痛い。

「名前君、警察の人が話を聞きたいらしいから少し来てもらえんか。」
「あ、はい。………コナンくん。」
「………分かってるよ。」
「哀ちゃん、コナンくんのこと見ててね。」
「任せて。」

目が勝手なことするんじゃねぇぞって言ってた灰原を睨んでも鼻で笑われた。

「なぁ灰原。名前さんって組織の人間じゃねぇよな。」
「えぇ。ほぼ間違いないわ。」

灰原レーダー割と正確だからなぁ。じゃあ間違いねぇのかなぁ。でもあの身のこなし普通じゃねぇよなぁ。

「一般人って子供1人抱えて銃弾避けれねぇよな。」
「………彼女、受付嬢じゃなくて現職なんじゃないの?」
「実は公安でしたって言われても納得するかもしれない。」

いや、まぁそれはさすがにないか。ちょいちょい抜けてるもんな。いや、それすらも演技だとしたら。

「あーもーあの人ほんと謎だらけだな!」
「聞けば答えてくれるんじゃないの?」
「何者って聞いてもただの一般人ってしか答えてくれなかったんだよ。」
「それは聞き方が悪いわよ。昔何か武道とかやってたんじゃないの?蘭さんみたいに。ほら、戻って来たわよ。」

指差す方を見るとパタパタと名前さんが走って来ていた。

「おかえり。」
「ただいま。哀ちゃん、コナンくん大人しくしてた?」
「ええ。それより名前さん。江戸川君から聞いたんだけどあなた彼をかばって銃弾を避けたそうね。昔何かやっていたの?」

そんな直球に聞いたって答えてくれるわけねぇだろ!

「何もやってないよ。」
「ほらみてみろ。」
「ただ最強の兄たちに鍛えられたからね、他の人よりは少し慣れてるだけだよ。」
「お兄さんは何者なの?」
「あんまり言いたくないけど、たぶん、番長ってやつだよ…。」

遠い目をする名前にとてつもない苦労がうかがえる。大変だったんだな…。

「恥ずかしいからみんなには言わないでね。」

ナイショと人差し指を立てた名前さんは銃弾を避けたとは思えない可愛さだった。

(詐欺である)



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