◎小さな名探偵とポアロのバイト

ポアロで宿題をしつつ名前さんから送られてきた写真を見る。いつ撮ったんだっていう盗撮ばかりだったけどそれでもみんな楽しそうだった。

「コナンくんキャンプ行ってきたの?あれ、名前さんもいる。」
「うん、この間みんなでキャンプ行ってきたんだー。」
「いいなぁ。夏の思い出だねー。楽しかった?」
「うん!」

まぁ結局事件に巻き込まれたけどな。そういやカブトムシの回収行ってないけどあれからどうなったんだろうか。苗字家秘伝の蜜は本当にすごかったんだろうか。

「名前さんいつもと雰囲気違うね。いつも少しクールな感じだけどこの写真ではすっごく楽しそう。」
「名前さんがクールなのは安室さんにだけだよ。まぁこの時はすごいテンション上がってて僕もびっくりしたけどね。」
「最近よく来てくれるから結構話すようになったんだけどまだこんな笑顔で笑ってくれないなぁ。」
「僕もこんな笑顔で笑われたい。」
「安室さんいつの間に。」
「あら、お帰りなさい。」

何しれっと混じってんだよ。そして心底恨めしそうに見んなよ。梓さん気にしてないけどこれ、素が出てるんじゃねぇの?

「じゃあ私帰りますね。あとお願いします。」
「はい、お疲れ様でした。」
「バイバイ梓姉ちゃん。」
「バイバーイ。宿題頑張ってねー。」

今日昼までだったのか。出来ればこの状況で安室さんと二人になりたくないんだけど。

「で、コナン君。その写真は何かな?」

ほらぁこーなるぅ…。
安室さんは向かいに座ってゲンドウポーズをとった。仕事しろよ。

「こないだみんなでキャンプ行ったんだよ。その時の写真。」
「苗字さんが一緒に写ってるの?」
「一緒に行ったから。」
「その写真ちょうだい。」
「やだ。」
「組織の情報あげるから。」

そこまでして欲しいのか。
机をバンバン叩いて駄々をこねられる29歳はこの人しかいないと思う。

「だって!そんな笑顔向けられたことない!」
「こないだ笑顔で手繋いでポアロ行ってたじゃん。」
「あれは僕にじゃなくてその先にあるハムサンドに向けての笑顔だし途中で気がついたみたいで必死に手解こうとしてた。離さなかったけど。」
「そんなんだから向けられないんだよ。ねぇ、安室さんは名前さんが好きなの?」

安室さんは名前さんと付き合いたいんだろうか?

「安室透は名前さんに好意を持っているよ。」

何その曖昧な答え。睨むと微笑まれた。イケメンだからって笑えば済まされると思ったら大間違いだからな!

「誤魔化さないでよ。」
「その話はこの間解決させたんだ。だから終わり。さぁコナン君、そろそろ宿題しなきゃなんじゃないかな?アイスコーヒー入れてくるね。」

強制的に終わられた。仕方ない、こうなったら奥の手だ。時間はちょうどお昼時。この時間なら大丈夫だろ。

「あ、もしもし名前さん?僕だけど、」
「コナン君?!」
「ん?うん、ちょっと聞きたいことがあってさ。今度みんなで海行こうって言ってるんだけど歩美がまた名前さんも呼ぼうって言っててね。空いてる日あったら一緒にどうかなって思ったんだけど……うん、うん。分かった。じゃあまた後でね。お仕事頑張って。バイバイ。」

(悔しそうな安室さんに向かってドヤ顔をしてやった)



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