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「そう。その本は君の魂の記録でもあるから、次に生まれ変わった時もまたその本に一生の記録が書かれていく。
ちなみに転生する時は書き込まれたページが真っ白になっちゃうけどね。
そして傷んだ本は転生する時に省かれちゃう事があるから・・・、・・・あるから・・・。
だから破くなって言ったんだよー!!」
この死神さんは変わった死神だな・・・。
想像してた死神よりずっと怖くない。
「いいの。私なんていなくなっちゃえばいいんだから」
そう。生まれ変わっても辛い思いをするならば・・・。
「・・・。いいかい?琴浦紫音。魂って言うのはー・・・」
「マスター!!やっと見つけたんだからっ!」
何もないこの空間に今度もいきなり若い女が現れた。
フリフリの服を着て、髪型はロングの縦ロール・・・。
まさかこの子も死神とかじゃないよね・・・?
「おー・・・。メリアか。
はぁ・・・どうしようこの子の本ちょっと破けちゃったよー・・・」
「あーあ。何バカやってんの?
それより仕事が忙しいんだからさっさと次の魂の回収の仕事に取り掛かって!」
このモノクロの服を着た死神は”マスター”って呼ばれてるんだ。
そしてこのフリフリ女が”メリア”って言うのね。
「そんなテキパキ仕事をこなすのに疲れたからたまには許してよメリア。
わたしは子のこの本を破いちゃって、もうどうしたらいいのやら」
マスターは肩を落として困っている。
私の魂の問題なのにそんなに心配されるとこっちが悪い気持ちになるじゃん。
「マスターくんのバカッ!!なまけものっ!!仕事しろ!!」
何この痴話喧嘩みたいな光景は・・・。
「ん・・・そうだ!琴浦紫音!
わたしの変わりに仕事をしてくれないか!?真面目な子だったようだし」
はっ!?何言ってんの!?
この死神。
「それってまさか私に死神になれって言ってるの・・・?」
「そう」
マスターとメリアは声を合わせて返事をした。
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