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「そうですねー。24時間ずっと一緒にいればなんとなくシオンさんのお気持ちが伝わってくると言うか・・・」
私は24時間ずっと一緒にいてもあなたのことが全く分かりませんけどねーだ。
私はむくれながら視界を逸らした。
「ふーん。・・・ん・・・!?って・・・あ!!肉まん屋さんだ!!」
死神になってから異様に視力が良くなって小さいお店の看板もちゃんと見えていたのにどうして気づかなかったんだろう。
「シオンさんは中華なものがお好きなんですね。
服装もチャイナ服ですし」
「うっ・・・黙ってよ・・・です!?あ・・・あれ・・・?」
おかしいな敬語になってしまった。
このとろそうな人に敬語でどう反論したらいいんだろう・・・。
「ふふっ、お気になさらず。シオンさんはシオンさんらしく話してくださいよ」
私に微笑みかけてくるこの男はまた私の心を読む。
あーもう、ますます腹が立つ。
苛立った私はハルトから言われた"私らしく話していい"という許可を聞き吹っ切れる。
「分かったわよっ!!って言うかハルト、私の心を読まないでっ!!」
死神としての仕事が始まって今までビジネスマイルで通していた私の顔から怒りの表情がこぼれた。
ハルトも目を大きく開けて驚いてる。
このくらい言えば少しは気を使ってもらえるよね・・・?
「ふふふ、シオンさんは本当に面白いですねー。
今の怒った顔はドラゴンみたいですよ」
「え・・・?ドラ・・・ゴン?」
「そうそう、中華料理店に行くと龍の飾り物がありますよね?
あんな感じにシオンさんの怒った顔は迫力がありますよ」
さらに言い返されて怒ったのが逆効果になってしまった・・・。
「くうううう!!ハルトのバカーっ!!」
罵声を浴びせても相変わらず笑っているこの男・・・。
もしかしてからかってる?
でもからかってくるところは置いといて・・・、彼は私よりずっと大人なんだろうな・・・。
だって仕事を始めてから悩む仕草もなく、死神になったばかりと言うのに落ち着いている。
それに死神になったってことはハルトも何か訳アリってことだよね・・・。
気になるけど聞けない。
・・・いや、聞く必要もないじゃない。
あと半分の時間で試用期間も終わるし、男なんて笑いかけてくれても心の中では何とも思っていてくれない。
笑顔って本当に罪だわ・・・。
「わ・・・私、ちょっと下に降りて肉まん屋さんを見てくるね」
"笑顔"という言葉で嫌なことを思い出してしまった私はハルトの前から離れたかった。
この人を見ているとどうしても思い出してしまう。
優しいところ、頼りになるところ、笑顔が素敵なところ。
どうして、死んでもまた同じような人を気にしてしまうんだろう・・・。
離れていく私の名前をハルトが呼んでくれていた気がしたけど、そんなのは無視して肉まん屋さんに近い人気がない場所へゆっくりと降りた。
死神は重力を気にせず移動できるし、人間から見られないように姿を消すこともできるから便利だ。
この一帯は中華料理店が並んでいる。
姿を消さなくてもチャイナ服を着て歩いていても浮かないはず・・・。
大好きな肉まんを見て少しでも今の嫌な気持ちを癒したい・・・。
そう思って肉まん屋さんに向かっていった。
仕事中だし食べるのはちょっといけない気がするから、見るだけならいいよね?
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