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お店の前に着いたら、前にいる男女の2人組みが邪魔で肉まんがよく見えない。
くううう・・・!!もう少しで見えるのにっ!!
美味しそうな肉まん・・・がっ!!
背伸びをしたり後ろからキョロキョロ見ようとしていたら前の2人の会話が耳に入ってきた。
「ねぇ、なんで3個も肉まんを買うのよ?
私たちで食べるんだから2個でいいじゃない。それとも2つ食べるの?」
邪魔な2人組みの女の方が男に疑問そうに話しかける。
そして隣にいる男が答える。
「いいや違うよ。もう1個は亡くなった仕事仲間へのものだよ」
え・・・!?
この声に私は聞き覚えがあった。
もう二度と見たくなかった人。
想いを寄せていた人。
浅井くん・・・。
死んでからまた会うなんて思ってもいなかった。
そのショックで私は後ろで黙って立っていることしかできなかった。
「でももういない人に買っても意味ないじゃん。
死んだ人は化けて出てもどーせ食べれないんだし」
「そうだとしても、お世話になったしお線香をあげるついでにこれもあげようかなって・・・。
あの人が大好きだった物なんだ」
私が肉まん好きだってことを話したのを覚えていてくれたの?
やっぱりあなたは優しいんだね・・・。浅井君。
「ああー・・・、もしかして浅井に告ってきて交通事故で亡くなった女の人のことね!
そんなことしなくてもあなたのこと恨んでないって!
大体、彼女がいるならふられるのは当たり前じゃん。それを分かってて告る方も告るほうだって!!」
「そっ・・・そうだね・・・」
―・・・え・・・?何・・・言ってんの・・・?
私が告白した時、彼女がいたの・・・?
いないって言ってたじゃん。
もしかして嘘をつかれてたの?
彼女がいるって分かってれば告白なんてしなかったし、諦ようともできた・・・。
死んだりもしなかった・・・!!!
酷い・・・酷いよ・・・。
込み上げてくる恨みと怒り。
嘘をつかれていた事実を知った私は、恨みと怒りでいっぱいになった感情を抑えられなくなった。
そんな感情に流されて、晒していた姿を消して、仕事で使っていた死神の鎌を取り出す。
その鎌の刃は深い青色でガラスのような見た目をしていて先は鋭い。
人間の肉体と魂を切り離してきた刃。
―・・・今の私は人間にも見えていない。何だってできるのよ・・・?
人の心を傷つけておいて・・・タダで済むと思ってるの?
あなたも私みたいに死んじゃえばいいじゃん。
嘘をつくあなたなんて・・・!!!
嘘をついていた彼に向けて死神の鎌を大きく振り上げた。
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