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ドキドキする気持ちに浸っている暇はなく、その言葉の続きはあっさり返ってきた。
「からかい甲斐がありそうで、面白そうだなって思いまして」
「はぁ・・・!?」
嘘偽りのない満面な笑みでハルトは答えた。
キスまで(手の甲だけど)しておいてそれはなくない!?
一瞬、本気で告白かと思った自分がすごくすごく恥ずかしい。
「ムキー――!!ハルトのバカバカバカ!!」
私はハルトをポカポカと叩いた。
やっぱりむかつくヤツ!!
「ほら、怒るとまたドラゴンっぽくなりますよー。ドラ子さん」
「だからっ!!ドラゴンはもうやめてって言ってるじゃん!!」
ムカつくんだけど・・・、自分では素直に納得できないけれど・・・こんなやり取りも悪くないかなって思ってる気持ちもあった。
それに―・・・。
「ハルトちゃん、シオンちゃんいたー!!
サボってないで早く次の仕事に向かってよー!」
メリアが困った顔をして向こうのビルから飛んできた。
私たちの仕事の様子を見に来たらしい。
「すみません、メリアさん。急いで取り掛かります。
行きますよ?ドラ子さん」
「だーかーら!!その呼び方やめろって言ってるでしょ!!」
こんな感じで"死神"を続けられるのなら、死神になるのも悪くないかもね・・・。
メリアが独り言を言う前に私とハルトは次の仕事へと向かった。
「フフフ、もうハルトちゃんとシオンちゃんが仲良くなってる。
いいわねー!私も早く2人と仲良くなりたいわ」
―・・・死神の試用期間が始まってから49時間が過ぎた。
残りの半分の時間はあっという間に過ぎていった気がする。
仕事を終え、私とハルトはメリアに連れられて初めて顔を合わせたモノクロのタイルの世界に戻った。
「おお!2人共、試用期間お疲れ様!
どうだった?死神って最高だろう」
モノクロのタイルの世界でマスターがあぐらをかいていた。
そのマスターに私は言う。
「まったく!最っ悪だったわ。誰かさんはからかってくるし、知りたくなかった事実とかも知ったし・・・。
でもね・・・、死神として新しく生きるのも悪くないかなって思った」
「・・・そのようだな。"シオン"になってから今一番いい顔をしている」
「ありがとう。マスター」
もう私に迷いはない。
今は消えたいなんて思わないもの。
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