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お互い一緒にいてあまり楽しそうじゃない空気が漂っている。
あたしがその空気をすごく感じている。
気を使ってどうにかしようと思っても、不器用で上手くできないあたしも悪いけど。


ああ…今日のせいで斐ももうメールをしてくれなくなるんだろうな。

やっぱり会わないほうが良かったかも…。

斐のイメージも壊れることがないまま、今までしてたメールこと毎日の楽しみを続けていられたかもしれないのに。


駅の外を歩いていた。
どうしていいか分からなくなり俯いたまま斐の隣を歩く。


―パシャッ…!!


いきなり写メを取る音が聞こえた。
隣を見ると、斐がこの駅へと停車した電車の方へカメラを向けていた。


「なっ…なに撮ってんの!?」


「…電車。今の電車撮ったんッスよ」


そう言って今撮った写真の画像をあたしに見せてきた。


「ああ。斐は写真が好きなんだよね。
でも電車撮るとか。
もしかして電車好きなの?」

実際話しながら盛り上がれるような話題も見つからなかったし、冗談のつもりであたしは聞いてみた。


「うん。本当は趣味は写真っつーより、大好きな電車を撮るのが趣味で。
あああ…ごめん。
こんなこと言ったら、ますます有果ちゃんがドン引きしちゃうよね」


「別に。あたしも電車見るの好きだし。
通学では電車使わないしいつも駅通るとみちゃうんだよねー」


そう答えたら、斐があたしのことをあってから初めてじーっと見てきた。




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