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「オレは有果ともっと会いたい!」
「はっ!?」
思ってもいなかった言葉が返ってきて、あたしは驚いて顔を上げて斐の方を見た。
「有果が、オレのこと怖くて嫌いって言うなら…残念だけどもう会わない。
だけどせっかく……好きなものが分かち合える人ができたから、…そう簡単に…離れたくないっつーか…。
有果みたいに楽しそうに絡んでくれる女の子なんてそういないからなぁ……」
斐は後ろ髪に手を当てて、恥ずかしそうにあたしから顔をそらした。
「……しだって、……あたしだって、斐くらいしかそういう男の人いないもん!」
退屈だったあたしの毎日をを楽しい日々に変えてくれたのは斐…。
噂を聞いて不安になっていつつも、まっすぐ自分の気持ちに耳を傾けたら“斐のことを信じたい”って気持ちがずっとあった。
「じゃ…じゃあさ。
オレ、有果とこれからももっともーっと色んな電車とか見たい。
もっと遠くまで行ける電車とか一緒に乗りたい。
まとまってねーけど、…オレ…有果のこと好き!」
いきなりの斐の告白に心臓が飛び抜けそうなくらいドキドキした。
これってやっぱり……そうだったんだね。
「あたしも斐のこと……好き!
あと斐が今言った…一緒に電車見たり乗ったりすることしましょ。
これから…いっぱい……ね」
震えた声だけどやっと自分の思いをはっきりと言えた。
過去がなんだろうと、あたしはこの目で見てきた斐が好きなんだ。
「じゃあ、…付き合ってくれるってことでいいんだよな?」
「ええ。もちろんじゃない!」
斐はベンチから立ち上がって、あたしと初めて分かち合えた時のように嬉しそうにピョンピョンと小さく飛び跳ねてた。
今度はベンチに座っていたあたしの両手も握って。
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