平和に行きましょう。

うまれ


「えぇ〜、ボクの話?」
「なんていうか…う〜ん、生まれは人間なんだぁ。昔は子どもって生まれる数は多くても死にやすくてさ、7歳を超えて生きられるのも珍しいから、7つまでは神様の子って言われてたよ」
「それで、ボクもそのクチ。7つまで生きられなかったの。今思えばただの風邪なんだけどね、その風邪も昔は薬が無かったら本当に命取りで。んで、あっさり死んじゃった」
「そういう子達って今でこそ賽の河原でジェンガ積みしてるけど、まだ地獄がなかった頃だったから…。普通ならそのまま黄泉に行けたんだろうけど…運がいいのか悪いのか、7つまでに無くなった子ども達の人魂が集まって鬼火になったみたいでさ。丁度その近くに病で死んだボクの死体に入り込んで、見事鬼になって復活って感じ」
「鬼になってから黄泉に行って、それで鬼灯くん達と知り合ってバカやってる内に今に至るかなー」
「ボクが賽の河原一帯の責任者やってるのもそーゆー経歴があるからだよ」




「本来の賽の河原はもっと血に塗れた刑場でした。歌にあるように子供たちは毎日毎日功徳を積むため、例え指から血が滲んでも、疲れ果てて動けなくなっても石で塔を作らなければならない。そういう刑罰が与えられる場所だったのです」
「うふふー。本当は五逆罪っていう親に報いずして早死した罪の子どもが、因果応報として償うのがここなんだけどねー。時代の流れで残虐だって何やかんやでジェンガ積みになっちゃったの。まー石女の池とか思ったら改変されて然るべきなのかもしれないけどさー」
「榴さんは今でも石積みを行っていますよね」
「うん、やってるよー。ボクなんかほら、7歳で死んだ体に7歳以下の魂が鬼火になったのが入り込んで鬼になった生粋の子どもだから。むしろボクがやらずしてどうするって感じ」
「とはいえ数千年欠かさずやってると、12時間掛けるまでもなくきっちり建てるんですよね」
「あ、これ新作の石積みアート。ネットに上げたらヤバいくらいバズったよ!」
「仮にも公職の仕事内容をネットにばら撒くんじゃない」
「いやぁ新たな境地に至っちゃって。それに大王さまの銅イッキだってもう堂に入ってるじゃんーそれと一緒じゃんー」


「鳥頭さんあの二人どうなってんすか…」
「知らねーよ。俺たちと会った時からとっくにこんな奴らだよ。なぁ蓬」
「いやぁ榴はもうちょっと大人しかったけどな。寺子屋でも女子のおもちゃになって遊ばれてるタイプ。今みたいになったのは死に別れた親父さんと再会してからだよ」
「死に別れ…?でも元は人間なら、お父さんも勿論人間なんですよね。裁判とかどうしたんですか?立ち会ったり?」
「そこがアイツのやべえ所だな。現世にいた父親が死んでここに来たって気付いた榴の奴、地獄整備真っ只中だったのを突いて自分家に匿ってたんだ」
「当時の榴は大人しくて真面目だったし、整備でごたついてた地獄で問題行動1つ起こさなかった獄卒が亡者1人裏から手を引いて逃がすのは簡単だったんだよ。流石に今やったら鬼灯が頭かち割ってから天狗警察に突き出すけど」
「いやぁ頭かち割ってくるだけで済むといいな」
「まーな。とにかく、結局普段悪いことしない奴って悪いことすると凄い挙動不審になるだろ?鬼灯が亡者が1人足りないって気付いた時、榴が分かりやすいくらい反応してさ。気になって3人で囲んで聞き出したら、父親のこと吐いたんだ」
「なんかサラッとすごい裏事情聞かされてる気がするんですけど。獄卒の意図的な亡者逃走の手助けとか、大騒ぎになったんじゃないですか?」
「いや?最初気付いた鬼灯が上には知らせずに俺たちだけで榴から吐かせただけだからなぁ」
「というか亡者関連なら鬼灯も私怨でやってるし。鬼灯もそこん所感じたのか知らねぇけど、榴の父親については結局放任になったよ。別に地獄行きでもなかったしな」



























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