平和に行きましょう。
えりす2
口車に乗せられた気は薄々していたが、しかし馴染みのない日本に連れてこられた辺りでエリスは早速面倒事に頭を抱えていた。
「ルパンはキッドに扮装してるしおっちゃんはボディガードだし不二子ちゃんは捕まってる…?し、五エ門も五エ門で取り掛かってるしい」
要は、アジトのお留守番役を仰せつかったのだが、中々暇なのだ。無論お小遣いは貯めた分も含めて、少なくとも観光で多少遊んでも良い位はもらっている。
だが、つい昨日まで軽く出歩いた結果、コンビニ強盗2回銀行強盗1回殺人事件(未遂含む)3件、呆れるほどに遭遇した。コンビニ強盗に関しては犯人をタコ殴りにしてしまい、被害者なのにその場から逃走する暴挙に到り、それ以降なんとなく外に出るのが気後れしてしまっていた。ロアナプラならともかく、日本は法治国家なのだ、いくら犯人でも傷害は傷害だ。
「あんたも泥棒なのかよ」
「泥棒じゃないよー。片棒担がされてるけど」
「学校通わねーの?」
「あー…スクール?通ってるよ。休みがちだけどね」
親という名の愛人ネットワークを持つサルヴァトアが、その愛人契約にある人間から戯れに付けられた偽名で養子として通わさせてもらっているのだが、そこら辺は不健全なので必要はない。恐らく在籍している学校では相当な不良扱いされていることだろう。
「いちおーさ、私も元々は結構お金持ちの子どもだったんだよ。でも今じゃシンセツな人に拾われて、ルパンも次元がいなくても最悪普通に暮らせるんだな、これが。あんたもさ、普通に暮らそうと思えば暮らせるじゃん?」
「それは俺にもやらなきゃいけない事が」
「私もそうだよ。やらなきゃいけないよりは、やりたいからやってるんだけど」
「あっきれた。貴方たち、これが何なのかも知らないで盗んだの?」
眉根を顰めた女の表情は哀れみだ。トランクと自らを手錠で繋いでまで運搬する程のそれを今も胸に抱えながら、ルパンや次元に対し疲れた溜息を吐いた。
「随分な態度だな。俺達がいなきゃ今頃右手が無くなってたんだぞ」
「貴方たちがいたから事態がややこしくなったとは考えない?」
次元の言葉にも女は皮肉気な笑い方をするだけだ。
「貴方達、この本の内容を少しでも知ってるのかしら。価値ではない、中身を」
「いんや?俺達が知ってるのは、それが不老不死を得る為の魔術書ってことだ。読めば気が狂う曰く付きだとか」
「あら、最後は正解。正確に言えば、魔術書の写本の写本の、更に写本よ。劣化も甚だしい劣悪な魔術書。でもおぞましい知識には違いない。表には出せないから管理者の元に持っていこうとしていたの。貴方たちに邪魔されたけれどね」
沙さん→自己保護の創造により5ダメージ分軽減される
5年で1年分の加齢となる23歳時点で作成、以降50歳までの27年間で5年分の加齢。見た目は28歳程。
100歳になっても40歳程の見た目となる計算。人間の通常の老死を肉体年齢85歳と仮定するなら、300歳まで生きることは可能
精神年齢は見た目と変わらない。理知的で物静かな容貌をしているが割と行動派かつ大胆
とある魔術書の護送をしている最中で記憶を失い、自己保護の創造を扱う以前にまで戻ってしまう
自分の仕事を全うすることのみ覚えているものの、追っ手や護送対象の本について等記憶がなく、ルパン一味の手を借りる羽目になる
トランクの中身→フェイク。ただの間違った魔術しか記されていない研究するだけ損な紙屑。サラに全てを押し付けた沙への誤魔化しでもある為、沙はこれを本物だと思っている
もっとも、記憶喪失で忘れるのだが
サラは2人目の人格であり生きた魔術書
自己保護の創造により老いにくく、長寿となった魔術師に知識を詰め、保存することで生きた魔術書にすることこそが本来の目的。そして永久狂気に侵された沙は、実験過程の内で作り上げ、魔術に関する知識と記憶と狂気を押し付けた
沙本人はサラを手を焼く知人として認知しているが、本人であることや魔術書であることには気付いていない。あくまで理知的で人間性を損なっていない女性だが、狂人であることだけは間違いない
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