平和に行きましょう。
そのた
「良い銃じゃないか。散弾銃ってのは至近距離の威力もあるし、範囲も中々広い」
着流しに羽織だけのだらしない姿で、玄弥の銃。改めていた山桜桃は目を細めて喉を鳴らした。背丈は玄弥より頭1つ分低く、顔も女みたいで体格も華奢な男だが、それで舐めてかかると痛い目に遭うのは最初の頃で存分に思い知っている。何より、銃という選択肢を玄弥に与えた人でもあるので、悲鳴嶼の次に恩義があった。
「首尾は上々かい」
「はい。こう、結構思った通りに当たるのでしょうに合ってるかもしんないです」
地獄に帰りてぇなぁ、と心底思う。
正直なところ、榴にはあまりにも荷が重い。千年生き延びてる現世原産の鬼(?)と愉快な仲間たちを地獄に連れていくのがミッションであるが、開始3日目で軽く心が折れかけていた。いや、別に現世の鬼を一度ぶち殺してからあの世に引っ張り込むのは普段の仕事と変わらないのだが、鬼殺隊の存在を知ってからが辛い。
刀と身一つであっちゃこっちゃ駆け巡って鬼退治とか桃太郎も真っ青である。今度会ったら鬼舞辻産の鬼と瘟鬼どっちがマシか聞いてやろう。そんな感じに現実逃避したくなるくらいには榴の頭はそこそこ遠くなっていた。
「やべーです現世、超やばい。戦闘能力だけなら鬼灯くんレベルがゴロゴロいる組織ある」
「そうですか。それは彼らの死後がとても楽しみですね」
「聞いてよーもっと真面目に聞いてよー」
「はいはい。それでお間抜けなあなたは一体何が原因で人間から追い掛けられたんですか」
「臭い」
「人外扱いされる体臭か」
「ちげーよ!!言っとくけどこれ鬼灯くんも同じ原因でバレるかんな!」
「うるさいですね。流石に風呂には入ってますよ」
「ボクもそうしたけどさ、何か鬼より染み付いた血臭って言われた。だから多分、地獄で暮らして毎日刑場にいる獄卒は皆鬼殺隊の人間にバレるかも」
prev next
Back to main nobel