平和に行きましょう。

榴くんちゃん3


「信じてたのに!って言う人は往々にして、相手を信じてた訳じゃなくて相手の知らない部分を知って揺らいじゃってるんだよ。ふふふ、きっとその人が信じたのは自分が理想的に作り上げた仮想の相手なんだね。理想が壊れちゃったら皆大なり小なり心揺れちゃうもん」
 きっとうっそりと笑っているのだろう、そんな声色で榴はテキパキと慣れた動きで悲鳴嶼の手当てをしていく。頭の先から爪先まで煤けた鉄の残り香がする子供の想像よりずっと硬い手は、意地の悪そうな言葉のくせに優しくて慈しむような柔らかな手つきであった。
「だからおにーさんは悪くない」
「地獄の獄卒のお墨付きか」
「んーふふふふ。そうだよ、獄卒は嘘つかないよ、仕事中は」



「榴ちゃんの着物の模様、師範とおんなじ炎なのね!とってもすてきだと思うわ!」
「ありがとーおねーさん!おねーさんの桜餅みたいな髪色もすっごく綺麗!」
「キャー!ありがとう!でも、黒い炎って珍しいのね。どうして榴ちゃんは赤い炎にしなかったの?」
「地獄の炎は黒いんだよー。だからボクのお着物もそうしたの」
「そうなのね!お魚とかすぐ丸焦げになっちゃうのかしら…」
「多分近付いただけでいい感じの焼き魚になるかもしれない」

































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