平和に行きましょう。
さらさんに
朝の目覚めは良くも悪くもない。来るべき時間が来ればパチリと覚醒し、ものの数分で身支度を整えられる程度には寝起きの良い体質は、生来のものではなく長年の修道院での生活で培われたものだった。
紺を差し色にした白い法衣を纏い、サラは今日も「よし」と小さく頷く。
「サラ、翌節の行事の準備についてだが」
「はい!祭事用の食材の手配はこちらにまとめました。道具や敷物の準備は粗方済んでいるのですが、修理が必要な物が2つあるので、それらだけ期日直前になってしまいます」
「間に合うのであれば構わない。このまま不測の事態がないよう様子を見るように。あぁ、それと」
「最近食事の後、会話を共にしている兵士だが…」
「リカルドさんですか?」
「なっ…あまりみだりに男に懐くんじゃない。お前に何かあってからでは遅いのだぞ。最近カトリーヌから格闘術を習っていると聞くが、実戦に乏しいお前と兵士では襲われた時の対応が非常に危うい」
「えぇと…それじゃあ、あまり話さない方が良いですか?」
「それが賢明だ。突然話さなくなっては彼にも悪かろう、私から話しておこう」
「分かりました。お心遣いありがとうございます」
「…ってセテス様に言われて、私はあんまり男の人には話しかけないようにしています。ツィリルは良いんですが」
「それでクロードくんとか士官学校の男子生徒みんな避けてたのね、サラちゃん…。でも、それって困らないの?」
「うーん…不便といえば不便ですが、セテス様の悩みの種を増やすのも忍びないというか…。これで私と話した殿方が脅迫されるのも可哀想でしょう?」
「それもそうだけど。でもあんまりはいはい頷き過ぎてたら、フレンちゃんみたいに箱入りにされちゃうよ?」
「そこは気をつけています」
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