平和に行きましょう。

さらさんよん


「…あら、先客がいたのね。こんに ちは」
「こんにちは。えぇと…黒鷲の学級の、エーデルガルトさん…?」
「えぇ、そうよ。こうしてお話するのは初めてね」
「そう…ですね。よくよく考えたら、会釈したり挨拶するだけでした」
「貴方はいつも仕事をして忙しそうだから。…今は休みなの?もし何か邪魔をしてしまったなら申し訳ないわ」
「休み…といえば、そうですね。セテス様からお仕事を聞いていませんので。暇だからここに来ただけで、お気になさらないで下さい」
「そう、ならいいのだけど…。少し聞いてもいいかしら?」
「何でしょうか?答えられるといいのですが」
「その、貴方はいつからここに?大修道院には長くいるようだけど」
「生まれた時からですね」
「え?」
「本当のことです。大修道院の門の前で捨てられていたと聞きました。名も、セテス様が付けて下さったものです」
「…ここを出て行こうと考えた事はない?」
「貴族の養子を勧められた時に悩みました。ただの孤児に大紋章なんて宝の持ち腐れですから」
「聖キッホルの紋章…。確かに貴族は求めるでしょうね。なのに、どうして?」
「色々理由はありますが、やっぱり、セテス様のお側を離れたくなかった。名前を与えられ、褒められ叱られ…色々な事を教わりました。この身以外の殆ど全てをあの人から頂きました。まだ何一つ恩を返していないのに、言われるがまま貴族の下へ行くのは嫌だったから」
「自らの意思で、ここに残ったのね」
「えぇ。初めてのわがままです」




































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