平和に行きましょう。
やべぇさん
いくらかやり過ぎたか、と思い至ったのは大体の事が済んでからであった。足元にはついさっき出来た屍が三体と、盛大に飛び散った血痕がある。壁には屍だった人間が振り回した刀が釘のように突き刺さってそのままになっているし、美しかった壁紙も、明かりがない夜半は目立たないが日中になれば点々と飛び散った血が目を引くことだろう。
「やりすぎたな」
「本当に」
暗闇の向こうから、娘が現れた。月明かりを背にする書文の姿は逆光になっているが、それでも照らされた辺りから察して血塗れであると分かったらしい。眉を顰め、唇を窄めてあからさまに嫌そうな顔をした。
「手練でしたか」
「変わった呼吸法と剣技を扱う奴らだったが……さてな。伸び代はまだあったはずだ」
「屍になっては伸び代も何もないでしょうけれど」
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