平和に行きましょう。
蘭の話に
蘭夜行は山桜桃梅を信仰しているし、蘭恵はいまいち愛情を理解していない。蘭鈴は幼少期の言葉にずっと縛られている。
山桜桃梅の「他人の言葉では彼女の芯は変わらない」という、頑固でも自身への狂信でもなくただ人間への無関心からくるその有様に惚れている。
傭兵引退時に彼女の小説に救われ、救世主の如く捉えている節がある。生きる意味を失いかけていた時に山桜桃の為に生きたいという目的を生み出したから今も生きている。愛していると言い替えてもいいくらい、彼女のことが好ましい。それを死んでも言うつもりは無いけれど、先に死んだらお互いの死体を好きに使っていいという約束だけが、彼らの中で愛にも匹敵する契約となっている。
それはそれとして今日も山桜桃が生きてて作ったご飯を食べている様を見るのが何よりも楽しい。
こいつも中々ヤンデレの素質があるが、それを上回る日奈がそばにいるから今は発露していない。
蘭恵の愛情は愛情というより善意の押し付けに近い。元々6歳になるかならないかの頃に実母が亡くなり、それ以降継母に殺されかけながら生きてきた為、愛情の存在は知っていても与えられた時期があまりにも短かったせいで風化している。
アカネやしろがねちゃんへのそれは「この子ども達は自分の手で満ち満ちた人生へ導くべき」というエゴと義務によるもので、一歩間違えたら毒親になりかねない素養を持っている。ただ娘たちはそんな彼の手から易々と飛び出て好き勝手生きるので最悪の事態にはならない。いずれ同じ職に就くつもりだと知って涙ちょちょぎれた。
でも彼が差し出す愛情は、ガラスを宝石だと偽って差し出しているようなものなので、見る人が見れば中々滑稽。
ちなみに彼が最も父親に似ている。それが継母の不興を買っていた。
蘭鈴は、幼少期から肉体と精神の性別が乖離していることへの悶々とした悩みを抱えていた中で夜行に「お前の黒髪は綺麗だ。肌だって誰よりも白い。どちらにも見えて、どちらにも見えないのがお前の美しさだよ」と褒められて以降、その言葉を抱えて誇りにして今も生きている。兄さん好き。
夜行が初恋で、今後一生、己を認めて救いあげてくれた夜行以外を愛するつもりはない。自分の体は男で、しかし精神性が女であるこの歪さが自身の魅力だと自負しているから、性転換手術を受けるつもりもない。その頑なさで夜行と共にいる為の努力をするかというと、実は別にそういう訳では無い。なんせ鈴は恋に恋する乙女であるので、万が一にでも夜行が理想からかけ離れた場合自分の恋が終わってしまうので。
理想は理想のままでかくも気高くあっていてほしい。それはそれとして兄さんが好き。大好き。兄さんの幸せが第一。ねえほらまた髪をほめてください兄さん好きですよ兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん
でも最近とある小童が自分のとある物を持っていってしまって困っている。心が掻き乱されている。不要なものであったが、小童に持たせる訳にもいかないのに。
総評
蘭は全員ろくでもねぇ
ちなみに山桜桃は、夜行との約束でもし先に自分が死んだら「フランス製の剥製か、アメリカ製の剥製のどっちかかなぁ」と思っている
※フランス製のはロザリア・ロンバルドという世界一美しい少女の遺体
アメリカ製のはエレナという女性のダッチワイフ加工された遺体である
prev next
Back to main nobel