平和に行きましょう。
苦労一期
「主殿、また勝手に安請け合いされましたな!?」
「一期うるさい、頭に響く」
この本丸で一期一振と審神者の仲は中々に険悪だ。忠臣故に無視出来ない一期一振に対し、そもそも一期一振を本能的に苦手とする沙がひたすら意固地になって応じないのが原因でもある。これが例えば贔屓にしている刀剣男士なら、幾らか改めて話を聞こうとするのだろうが、話は延々と平行線を辿っている。すぐ側の庭で薪割りに勤しむ長曽祢は、常の事と涼しい顔でいた。そんな光景が、日本号にとって妙に見えた。
「ここの主はまた豪気だな。他人の後始末なんざ、普通誰もしたがらないもんだろ」
「不祥事の起こった本丸解体は金になるそうだ。それとストレス発散にもなるらしい」
「はぁ、俗な話なこった」
「主らしいがな」
日本号の呟きと長曽祢の溜息が重なる。所謂「ブラック本丸」の後処理は、政府や審神者の汚点として早急な対処が求められる。しかし、やはり刃傷沙汰や色狂いの末の産物なんて特殊清掃業でもあるまいし、誰も好き好んで発禁物に触れようとする審神者も職員もいない。そこで跳ね上がった報奨金と、殴っても怒られないサンドバッグ目当てに、この本丸の俗な主はわざわざ貧血気味なのに立候補したという訳だ。そしてその所業に一期一振がブチ切れて、たった今無駄な直訴に勤しんでいる。
「長曽祢、長谷部を呼ぶか?」
「それより蜻蛉切を呼んだ方が良いかもしれんな」
「呼びに行くのが面倒だな。アンタが言わねぇのか」
「以前進言したら、スネを蹴られた」
全く痛くないが、と付け加える長曽祢は随分慣れている様子だった。
「俺としては、主は主の好きなようにすればいい。それで限界を知るのも一つの経験だ」
「ほーう」
「好きに何でも選べるのなら、出来る内にしておいて損はないだろう」
随分人間臭いことを言う長曽祢は、少々照れくさそうに頬を掻いた。
「貴女を心配する我々のことも考慮して頂きたい!」
「うるさい知らん」
「沙殿!」
「……………あの意固地っぷりは治させた方が良いぞ」
「………………追々そうしよう」
客観的に見た沙本丸
「お猫様と猫奴隷」
蜻蛉切
審神者のセコム。普段は積極的に構うことはしないが、沙が寄って来ると普段は懐かない猫が自分にだけ甘えてくるような気分になって全力で甘やかしてくる
演練や万屋といった外出時には遠征で無い限り着いていく
あらゆる刀剣の中でも随一の実戦経験の多さを誇る血まみれ槍らしく、結構な戦闘部族
長谷部
全力投球でぶつかりに行っては全力で打ち返されるボールの如く沙から嫌われている。ただし一度己の行いを省みて会いに行くのをやめたら、周りの刀剣男士に「長谷部はどこだ」と聞きまくっていた姿を見てキュンときた、らしい
ちなみにその当時の沙の心境は「とうとう死んだのかと皆に確認してたら、いきなり横からトラップの玉みたいにぶつかって来た。折れればいいのに」とのこと
日本号
沙のわがままにより捜索された三名槍。酒は飲まないが、アテは遠慮なく食べる審神者を将来有望だと見ている
一番の新参な為か、最も常識的な視点で本丸の混沌具合を感じているかわいそうな槍。蜻蛉切と長谷部の姿に頭を抱えている
でも1週間足らずで練度を60まで引き上げた審神者のことは気に入っている
長曽祢
割と頻繁に沙の八つ当たりを受けている立ち回り。でも貧弱だし女の子だから全く痛くない。猫と虎の違い
たまに寄ってきては気まぐれに色々贈る沙を、叔父のような気分で対応している。真作弟には相変わらず嫌われている
石切丸
パパ兼おじいちゃん枠。疲れた沙に自室侵入されては読書の邪魔をされるが、自由にさせている。愚痴を聞いたり枕になるのもいいが、正直部屋で寝るのだけは勘弁してほしい
今剣
好きな子はいじめちゃう系男子(推定1000歳以上)
主に恋文来たら差出人特定して脅迫する、色んな意味で惨状派の筆頭
加州
長谷部とツートップで沙に苦手視されている刀剣男士。歌仙が好き勝手に着飾る様子を見て自分も主を着せ替え人形にしようとするが、突進し過ぎて疎ましがられる不憫くん。でも歌仙や大和守も混ざれば女子会の如く盛り上がるので、歌仙や大和守には滅茶苦茶恩義を感じている
色々どストレートな長谷部が死ぬ程嫌いだが、一度それで沙を引き篭もらせた実績があるので表面上はお互い不干渉となっている。蜻蛉切と陸奥守が苦手
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