かわいいこ

「ダンデくん………それは………?」
お風呂でサッパリ一日の汚れと疲れを落としてきて、さてさてお待ちかねのデザートタイムだ!とリビングに入るとダンデくんが見覚えのある容器を持っていた。私が買ってきたちょっと贅沢プリンちゃんである。
私には見咎められたことに気づくとダンデくんはニコッと笑った。あ、その顔可愛い。
「プリンだぜ!」
うん、そうなんだよ。そうなんだけどね。そういうことを聞きたいわけじゃないんだ!元気のいいお返事可愛いけどね!?
「それ、私が食べようと思って買ってきたやつなんだけど………」
あまりにもダンデくんが堂々としているものだから勝手に食べたなと怒りづらくてそれとなく伝える。しかし全く意に介さないダンデくんはコテンと首を傾げ上目遣いで私を見つめる。
「美味しかったぜ?」
「ああーー!それは良かったーー!」
待て待て、全く良くない。私のプリン勝手に食べられたんだぞ。怒れ、怒るんだ、私。でも顔が良くて怒れないの!下まつげバサバサ!可愛い!
私が内心葛藤していることを知らないダンデくんは私を見て元気だなと呑気な感想を言った。いや、ダンデくんのせいだからね?顔が良すぎてズルいぞ。そのプリンを食べちゃった頬っぺたを齧らせて欲しい。きっと甘いと思うんだ。食べたい。
ちょっと危ない思考に陥りかけた私は自分で自分の頬を叩き正気を取り戻す。危ない危ない、変態になるところだった。ダンデくんといると私の奇行が増えてしまう。一旦深呼吸をして落ち着こう。はい、吸って、吐いて………
「キミも食べるか?」
何を思ったのかダンデくんは残りわずかのプリンをスプーンですくって差し出してくる。いわゆるアーンである。
何でさらに私の情緒を乱すようなことするかな?鬼かな?しかしながら可愛いダンデくんのアーンをスルーするなんて有り得ないのである。私はプリンを食べられた怒り(元々ダンデくんが可愛くて怒っていない)を忘れて口を開けた。完全敗北だ。腹を見せて尻尾を振って見せる。ダンデくんの可愛さの前にプライドなんて必要ない。
「美味しいか?」
「うん♡」
ダンデくんは上機嫌に返事をした私をよしよしと撫でてくれる。好きが過ぎる。
今度美味しいプリンを買ってきてやるからなと言ったダンデくんに私は何の話をしていたのかよく分からなくなった。