好きって言え

「ダンデくん、好き」
ふとした瞬間に溢れ出してしまった感情をぶつけると彼は優しく笑った。そして好きともありがとうとも言わずにぶらぶらと揺れる私の右手をとって繋いだ。
これはどういう意味で取ったらいいの?
彼の横顔を見つめても何も返してくれない。無遠慮な視線に気づいていないはずがないのに放っておくということははなから相手をする気がないのだ。それでいていて、ちゃっかり恋人繋ぎをしているところが本当にズルい。こうしていれば私が黙ると思っているんだろうか。いや、特に何も考えてないに違いない。問い詰めてもたぶん何となくとか曖昧な返事しか返ってこない。
本当は分かってる。彼に直接好きかと聞いて強請れば言ってくれるんだろう。それを私が意地を張って聞かないだけだ。だって私ばっかり彼のことを考えていて不公平じゃない。たまには私のことで頭を悩ませる彼を見てみたい。今のところ全敗中だけどね。厄介なヤツに惚れてしまったものだ。うん、負けは認める。
私はダンデくんが好きだよ。こうしてグズグズ管巻くくらいには好きだ。愛してる。
彼が私のことを満たしてくれないのを知りながら諦めきれずに振り回される。あー、これが恋の病ってやつか。バカみたい。けれど、許してしまうんだよなあ。

「ダンデくん、嫌い」
「そうか?オレはキミを気に入っているんだが」

ほら、またそうやって私が好きな顔をする。