とばっちり

部屋に入ると、フランさんは心底いやそうな顔をした。
だけど、ベルフェゴールさんが自分の話を聞かないであろうことは分かっているらしく、何もいわなかった。

「ま、食えって」
「食べますけどー…」
でもなー、とフランさんがベルフェゴールさんを見た。
疑っているようだ。

私はというと、わくわくしていた。

それはもうわくわくしていた。


フランさんがどんな反応をするのか、…怒るのかむせるのか…気づかないのか。いやむしろ美味しいとか言っちゃうかも。


どきどきしながらフランさんを見る。

フランさんは、ゴミを見るような顔で私たちをみた。それから、ぱくりとご飯を食べた。


「うわ胡椒だ。オカマ先輩がこんなに胡椒かけるわけありませんしー、堕王子の仕業ですねー」
ぱくぱく。


あ、あれぇ。
胡椒をかけたのには気づいた。けれど、むせるでも怒るでもなく、無表情でぱくぱくとご飯を食べている。


「うげー、ひょーしぬけ。お前よくそんなの食えるな」
「まあ味はほぼ胡椒ですけどー」
食べれないことはないですー、とフランさん。

うわあ。

「…しじみ」
「…」
しじみ?今日のご飯はザンザスさんのリクエストでお肉パラダイスだけど…。

「お前だよ」
あ、私ですか。
そういえばそんな話もしましたね。
…まだ引きずってんのかコイツ。


「はいあーん」
!?

無表情でフランさんがフォークを差し出す。ちょ、え?

ブンブンと首を横に振って、拒否の意を示す。

「そんなに食べたいんなら仕方がないですねー」
誰が!とツッコミたかったけれど、フランさんが残像を残しながら私の口にフォークを突っ込んだ。はやすぎ。

何があーんだよ!これはあーんなんて生易しいものじゃない!フォークの先が刺さってる!


「ふら、げっほ!げほっ、けほ、ゔぇっ」
むせた。
文句を言おうと口を開いたらむせた。

口からご飯を噴射するのは意地で防いだけど、涙目で咳き込む。
辛っ、まずっ、うええ!


耐えきれなくて、フランさんの部屋から飛び出した。
ベルフェゴールさんも、フランさんの反応がつまらなかったらしく私の後ろをついてきた。

「あ、トイレあっちな」
もうベルフェゴールさん大好きだ。

あ、そういえば私がこうなる原因作ったのベルフェゴールさんだ。前言撤回。