フラン視点
堕王子としじみが部屋に入ってきた。最悪だ。
文句を言うのもめんどくさいので(どうせ聞いてくれませんしー)、黙って二人を見る。
「ま、食えって」
「食べますけどー…でもなー」
ベル先輩がわざわざご飯をミーに持ってくるなんて、なにかしてるに決まってますー。
しじみをチラッと見ると、目がキラキラしていた。うわあ、純粋な瞳。…こいつもグルか。
このゴミ共め。というか主に堕王子が悪いですー。
ガキにしょーもねー遊び教えやがって。
ふふん、まあミーは堕王子としじみ如きにやられはしないのですー。
ぱくりとご飯を食べた。
!?
反射的に吐き出しそうになった。なんだこれ!胡椒か!ふざけるな!
こんなもの、よくもミーに食べさせようと、げぇえ!
で、でもミーは動揺しないのです。
「うわ胡椒だ。オカマ先輩がこんなに胡椒かけるわけありませんしー、堕王子の仕業ですねー」
「うげー、ひょーしぬけ。お前よくそんなの食えるな」
「まあ味はほぼ胡椒ですけどー。食べれないことはないですー」
自分なに言ってるんだ。無理せずに吐き出せよ、つまらない意地で胃を酷使してどうするんだ!とか思いつつ、しじみに目線を移した。
…ちょっと仕返ししてやろう。
「…しじみ」
「…」
「お前だよ」
本気で自分だと思っていなかったらしいしじみが嫌そうな顔をした。
「はいあーん」
それを気にせずに、しじみの口元にフォークを近付ける。
ブンブンと首を横に振るしじみに、内心ニヤニヤする。
「そんなに食べたいんなら仕方がないですねー」
ヴァリアークオリティで、しじみの口にフォークを突っ込んだ。目を白黒させて、文句を言おうとしたのか、口を開いた。
「ふら、げっほ!げほっ、けほ、ゔぇっ」
盛大にむせた。
うわあ、涙目で口元をおさえてぷるぷる震えてますー。こりゃロン毛隊長あたりが喜ぶな。
耐えきれなかったのか、しじみはミーの部屋から飛び出した。つまんねー、と言いながら堕王子も姿を消した。
「ゔぁあ゙う、げっほ!けほっ、ぉえ゙、ええ゙ぅ」
すぐさま部屋のトイレに駆け込んで、ひとしきりむせた。
堕王子にしじみ…覚えてろよー。容赦しねぇからな。