将星劉備
ヒモニート生活でついた脂肪を短期間の鍛練で筋肉に変えた劉備の姿がそこにあった。
鋭い眼光と割れた腹筋。
戦場ではこういう男が大将として担がれる。
見てくれは大切である。
男も女も見た目が大切。見た目がアレだと能力を試す機会すら得られない場合がママある。
「なぁ、兄貴、やっぱりあの曹操ってのが大将なのか」
張飛が言う。
相当に切れる男であることはわかっている。その上得体の知れない何かを感じる。
「いや、家柄からいって奴はあり得ない。大将は袁紹とかいう奴だ」
「大丈夫か、あんなデブで」
大人の事情を理解しない張飛は兵士達の本音を代弁した。誰しも心の中で思っているが、政治的正統性のため口に出してはいけない筈の言葉である。
「駄目だな。だが俺達はこの戦に勝たねばならん。生き残りたい者は最後の最後俺についてこい。だが、今はあのデブに逆らうな」
劉備は世間の渡りかたをを知るニートだった。
本来バイトのような立場の劉備に現場の兵士が続々と指揮下に入るという不思議な現象も起きた。
それが劉備という男の恐ろしさなのだ。
大抵の男は1度ニートになったら這い上がれない。せいぜいブラック企業で身を粉にする立場にしかなれない。
が、劉備は学問もせず、仕事もサボり続け、資産家の嫁を貰い呑気に紐ニート生活を続けてきた。
というにも関わらず、そんな男に今、数万の兵士が従おうとしている。
劉備という男、いかにも豪傑という堂々たる体躯をしていたという。
身長と筋肉と精悍な顔は男にとって能力より重要のようだ。
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