訓練


「あんた、曹操さんって言ったっけ」
劉備は分かりやすい怒気を含んだ声で呼び掛ける。事実怒りに震える思いだ。
「ああ、義勇兵の劉備さんですね。はじめまして」
劉備は参謀格の曹操にタメ口を叩く。もっとも参謀とは言え、将軍に上手く取り入っただけで、曹操も義勇兵であることには変わりはない。
この雰囲気の真っ只中悠長に挨拶をする曹操の言葉を遮り劉備は続ける
「将軍の姿が見えないがどうしたというのだ」
「ああ、将軍なら帰られました。娘さんの誕生日だとかで。可愛い盛りなようですよ。まぁ、あれで良いパパをやってるようです」
そういう問題ではなかろう。
戦の真っ只中に娘の誕生日で帰ってしまう将軍がいるだろうか。まぁここにいたわけだが。
「訓練は?」
「自主練という感じですね」
「ふざけた軍だな。俺が鍛え直してやる」
曹操の目がすっと細くなった。顔は笑っているようだが、目はマジ。
「まぁ、身体を動かした後の飯は美味いし、やりましょう」
劉備は曹操の表情の変化を訓練が嫌だったのだと判断した。戦をサボり続けているわけだし。

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