イギリスさんと俺と時々友人
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海外留学をしている友人に騙されて、俺は何故だかイギリスでイギリスさんに紅茶を淹れて貰ってます。ああ、ややこしい。
「勘違いするなよ!これは別に良い紅茶が入ったから自慢したいわけじゃなくて、お前に飲んでもらいたいから出しているんだ!」
「イギリスさん、つんでれの使い方を間違えてます!逆です!」
万事、この調子。
ちなみに友人は「淑女!淑女!いやっほーう!」と叫びながらナンパに行った。あいつマジでとっ捕まれば良い。
そもそも俺が飛行機を使ってまで盛大に騙されたのは、「研究に不可欠な門外不出の書物を発見した」という友人の言葉と、見事に騙された教授の「じゃあ、キミ。それ見てきて」というあまりにも簡単な一言のせいなので、俺はもうどうしたらいいのかわからない。
書物なんて「あ、嘘だよ」の3秒にも満たないワンフレーズで消滅したのだが、これの責任は誰のものだ?
とにかく何でもいいからデータを手に入れないと、俺の存在意義が問われる。
「……悩み事か?」
「え!……あはは、バレましたか」
「あのなぁ、そういうのはぐじぐじ悩む前に相談しろよ。目の前に俺が居るだろうが」
「イギリスさん……」
いいひとだ!
でもスコーンのお代わりはいりませんイギリスさん。ひとつだけで精一杯です。
そうだな、イギリスさんは原住民だし。
現場の声っていうものも大切だって誰かが言っていた。
「これ、なんて書いてるのか読めないんですけど」
お使い役だった俺は、正直教授が何の資料を見たかったのかも解らん。(一番近くをうろついてたから、なんとなく指名されたのがオチだ)
「……え」
「イギリスさん?どうしました?」
渡した紙を持ったまま固まり、青くなったり赤くなったり忙しいイギリスさん。
おかしなことは書いてないはずだ。
セクハラ気味な教授だったけど、研究はまともだったし。ああ何て書いているんだ!読めないから余計気になる!!
「イギリスの祭りですよね?」
「あ、ああ……。これを調べに来たのか?」
「とりあえずコレだけは確実に調べて来いといわれました」
そうか…… と、力なく項垂れるイギリスさん。
意味が解らない。
「どういう祭りなんですか?」
「……長時間、だな」
「長時間?それは祝っているんですか、それとも祀っているんですか?」
「……祝い、か。あとは、健康の為、とか」
「 ? 具体的には何をしているんですか?」
「……疲れる事、だ」
「疲れるだけ?」
「……〜!!気持ちよかったりもする!今日のところはコレ位で勘弁してくれ!!」
「え、あ、ちょ?」
これは土産だ! 可愛らしくラッピングされたスコーンを投げつけられて、疑問符を頭に載せたまま友人宅へ帰った。
そこにはベッドに引っくり返ったままビールを片手に爆睡する友人が!
本当に死んで欲しくなるが、人の気配に気付いたのかノソリと起き上がった。
「なんか良い資料見つかった?」と寝ぼけた声で聞いてくるので、「知人に聞いたらスコーン投げられた」と答えた。
大爆笑された。
意味が解らない。
以上。これが4時間前の俺の軌跡だ。
で、今現在。俺はパソコン画面を前に悶絶している。
紙に書いてあった文字を調べてから以降この状態だ。もう俺は死んでしまいたい。
「『Masturbate-a-thon』!ちなみにイギリスだとワンカソンの方が一般的だぜ!」
笑い上戸の友人は、いまだに間欠泉のように笑いを止めない。
「もっとわかりやすくいうと『オナニーマラソン』な!!」
「黙ってくれ!頼むから!」
知らず知らずのうちに酷いセクハラをしていた俺は、正直一刻も早く日本に帰りたい。
なんだ俺、オナニーって自慰じゃないか。
そりゃあ疲れるよマラソンしてたら。ちなみにマラソンって言っても走るんじゃなくて延々と続けると言う意味。
自慰が苦痛だったら意味ないしな。
そりゃあ気持ちよかったりもするよ。何言わせてたんだろな、俺。
最初にこの四角い箱で調べてから聞けばよかった。
「もう家に帰りたい……」
「お前のイギリス観光は始まったばかりだぜ」
「うるせぇ死ねっ!!」
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