まほうのくすりをけしさるまほう
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「エーーーース!!」
「汚ねえんだゾ!!!!」
半分まで、半分まで飲んだのに!! 盛大に吐き出した薬を監督生とグリムが砂を撒いて固めて処理してくれている。オレはもう力なく「ごめんな……」としか言えないし、オレがこんな調子だから監督生もグリムも「エースが罵倒されても謝るしかしない! 重症!」「気色悪いんだゾ! 早く飲んで元に戻れ!」って元気づけてくれる。元気づけてくれてるか? わかんねえ。もう六回吐いたから右も左も何もかもわかんねえ。
解除薬、不味すぎ問題。
ナマエの部屋から帰ってきたオレの「飲むぜ、解除薬」に、最後の『恋する者の涙』の回収と引き換えに監督生達が全員で手伝ってくれることになった。いまのオレなら秒で泣けるぜって言って本当に泣いたら引かれたの、納得いかねえ。
協力者を得るまでは良かったけど、一口飲んだだけで胃の中身全部吐き出すことになったのは驚いた。
デュースが作った解除薬が特別不味いのかと思ってオレも作ったけど、緑のゲロを吐いた。同じ味だった。嘘だろ。これ小瓶一本分飲まないと効かないってマジ?
死んだら薬の効果も何も無いよねって理屈で作られた毒という訳でもなくて? これが解除薬? 授業で味見した時は確かに不味かったけど、舌先に少しだけだったからここまでのブツだとは思ってなかった。この世にこれ飲めるヤツいるの?
オレが何回も吐くから、デュースは大釜の前で量産してくれているし、監督生とグリムは「せめてトイレで吐いて」と応援してくれている。応援か? ちょっと今何も考えられない。
「そんなになるって、これ一体どういう味……?」
「生魚、全部濾して……水分だけにしたやつに、マンドラゴラの根っこの先だけと、リコリスキャンディ……あと精液……」
「なんで精液の味わかんの!!?」
「興味本位で自分の舐めたことない?」
あ、今余計なこといった。うっすら理解したけど、いやもう全部どうでもいいや。とりあえずこの最悪薬飲んで全部終わらせたい。
鼻をつまんで、一気に小瓶を斜めにする。人体の防衛本能がこの危険物を吐き出そうとするのを無理やり押さえつけて、うつ伏せに倒れ込んで拳で床をめちゃくちゃに殴る。
「頑張れエーース!!」
「ファイトだゾ!」
「どうだ! 飲めたか!?」
マブ達の声を頭の上で聞いて、親指を立てた右手を上げた。そして意識がぶっ飛んだ。遠くからみんなの悲鳴とか聞こえた気がするけど、知らねえ。ベッドに運んでゲロ拭いててくれ。オレンジジュースとか枕元に置いてて……よろしく……。
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