【三夜】
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男の本丸はいつも賑やかで、他所よりも喧しいくらいだ。特に宗三左文字なんて、一度は亜種だと疑ったほどに気性が激しい。
そういえば御手杵は来たばかりの頃、俺に褒められたい一心で敵将首を持って帰ってきたことがあった。
今朝は乱が我儘を言って一期にゲンコツをもらっていた。
安定はいつも池の鯉を釣り上げてやろうと企んでいるし、鶯丸は先日来たばかりの明石の世話係を思ったよりうまくこなしている。和泉守は畑仕事で自分の隠された才能を見つけ打ち震えていた。
茶室が欲しい歌仙とシアタールームが欲しい鳴狐のお供の熱いディスカッションは今日で一週間を過ぎた。いつまで同じ話してるんだあいつら、建てないって言ってんだろこっちをチラチラみながら討論すんな。
話せる事ならたくさんある。だから男は夢の中で延々と話し続けた。
ふにゃふにゃと微笑んだにっかり青江は、「きみは良い主人なんだね」と言う。
「僕の主も、良い主だったよ」
いつの間にか、にっかり青江の白装束は真っ黒く染まっていた。その末端はまだ、赤い。乾いていない血の色をしていた。
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