稲荷の化身の稲荷寿司
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まさか転送ゲートの誤作動で一般人が入ってくるとは思わなかった。
こんのすけと必死になって再転送のプログラムを組んだけど、あれで大丈夫だったろうか。一応政府からのフォローもすっ飛んできて見守っているらしいけど、ガチの室町人とか初めて見た。すっげーな。何千年前なんだ? 室町時代の人間って二足歩行してたんだ。
「ぬし様……」
「お、何だ」
しょぼくれた声に振り返ると、そこには悲しげにこんこんする小狐丸の姿が!
「小狐めがぬし様へと丹精込めて作った稲荷寿司が、奪われました……」
「え、まじで。あー……でも何かすっごい腹減ってそうだったし。盗りたくなるほど美味しそうだったって事だろ?
また作ってくれよ。俺はいつでも小狐丸の稲荷寿司が食べられるけど、あの人はあの一回だけなんだしさあ」
「ぬし様……なんと寛大な……」
「めっちゃ痩せてたし食いもんとか無いのかな? 今じゃがいも余りまくってるから、あとでお裾分けしに行ってきてくれよ」
「慈悲深い御心に小狐丸めは感動いたしました。すぐに行って参ります!」
こんこんしながら大風呂敷に詰め込んだじゃがいもを持って行った小狐丸を見送って、五時間後位だったか。担当役人さんに「歴史への介入ですよ! この時代にあり得ない植物を勝手に!」とボロカスに怒られた。下手したら歴史修正行為と見なされたらしいが、偶然にも、運良く、奇跡的に。この行為そのものが正史に組み込まれていたので首の皮一枚繋がったのだった。
ていうか、地元の稲荷祭の元はこれだった。
つまりあれは俺の祭り? まじかよテンション上がるわ。
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