クリスマス
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そもそもクリスマスという文化に馴染みのないやつらばかりなので、きっとこのまま今日という一日は年の暮れとまとめられて終わりなのだろう。いいぞその調子だ。だいたい可笑しいんだよ、誰だよクリスマスをカップルの行事扱いしたやつ。キリストの誕生日だぞ粛々と過ごせ!その歴史修正してやろうか!炬燵に深く入り込みながらうだうだしていると、炬燵の中から足を引っ張られた。慌てて這い出すと、向かいには鶯丸がいつのまにか座っている。
「行儀がわるいぞ」
「うるへー休憩中だ」
「ところで主」
「なんだ」
「くりすま「シッ…貴様その情報どこで手に入れた」
炬燵を飛び越えて手を鶯丸の口元に当てると、そのままの形でもごもごと話された。ええいやめろくすぐったい!曰く、俺が現世で買って適当に積んでいた雑誌からみつけたらしい。
くっそ私室の本を漁るんじゃない!エロ本だったらどうするんだ!俺が恥ずかしいだろやめろ!
「なぜ隠すんだ。良い行事じゃないか、燭台切や歌仙に言ったら喜んで馳走を作ってくれるだろうに」
「いやな思い出しかないんだよ…」
「良い子じゃなかったからぷれぜんとを貰えなかったのか?」
「バカ野郎年がら年中良い子だってーの。うっ…大学時代の彼女…夜景の見えるレストラン3万…プレゼント5万…ホテル5万で逃げられ…うわあああああ頭があああ」
「金の単位はようわからないが、きっと俺の本体の方が高いぞ」
「うるへー」
下心で13万(経費抜き)を払った過去を思い出し心を震えさせていると、突っ伏した頭の上に蜜柑が積まれている感覚がした。おやめなさい。主を暇潰しの道具にするな。
「ぷれぜんとは君が構ってくれるならそれでいい」
「大包平とか言わないんだ?」
「俺も分別のつく大人だからな、我儘はいわない。急いで探さなくとも縁がある限り必ず会えるだろう」
「へーい。発見報告があがったら頑張りますよー」
「ふふ、頼りにしている。…食事もいつもの皆で食べるものでかまわない。今日はぶりの照り焼きだそうだ」
「まじかよ楽しみすぎる」
「君の好物だから厨係も張り切っているさ。あとはそうだな、別に他所に行かなくても、君の部屋で十分だ」
「…ん?待って、今まで流してきたけどなんかおかしくないか?」
顔をあげると積まれた蜜柑が転がり落ちた。
思ったより近くにあった鶯丸の顔がびっくりするほど綺麗で飛びのく。炬燵から脱出みたいになってしまって寒い。
「俺は逃げないから、くりすますのせいやって言うものを楽しもうじゃないか」
「あ――――――っっお前!見た雑誌ってやっぱりエロ「声が大きい」
最初とは逆に、飛び越えてきた鶯丸の掌で口をふさがれる。聖夜を性夜扱いしている頭の悪い雑誌を読みやがったんだろう。それが間違っている情報と理解しながら誘いをかけてくるのだから質が悪い。
「生くりーむを塗りたくって「私を食べて」だったか?言ってやろう、さあ作るぞ」
「お前こういう時あとは絞るだけなタイプのやつ買ってこない?ボウルと泡だて器かよ。せめて電動泡立て機欲しいんですけど」
「がんばれがんばれ」
「手伝えよ!」
「プレゼントは俺だ。トッピングは好きにしてくれ」
「なんてふてぶてしいプレゼントだ!」
ちくしょう!意地になってボウルと泡だて器を掴んだ俺を、また炬燵に入り込んだ鶯丸が眼を細めて見つめていた。お前のすかした顔をR18にしてやるからな!覚悟しておけ!
―――――できた後気が付いたが、俺も鶯丸も『食べ物で遊ぶ』事に罪悪感が湧くタイプだったので、適当に通販のお急ぎ便(3分配達)でスポンジと果物を買ってみんなでケーキ作りをした。褒められたし喜ばれたし美味かったが、これもまた罪悪感が…すごかった…。
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