口を開けば残念
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若きオートボットとして訓練生になった俺ですが、志高く将来は『エリートガードを目指します』とか言っちゃったのにボッチなう。いや、だって…就職先めっちゃ限られているから仕方ないし…。でもなんでこんな遠巻きにされているんだろう。眼からウォッシャー液。
整列して待機を命じられたのに、俺の周りからジワジワと離れていく同期たち。ボソボソと『あの黒いやつ…』とか聞こえるけど、それたぶん俺のことだよね!!やめて!俺たち初対面じゃん!俺まだなんの悪さもしてないのになんで!
右隣に並んでいた水色の機体をしたスマートなイケメンだけは、そのボディカラーらしくクールに初期位置から動いていないし、俺の事を気にも止めていない。ああ、無関心って優しい。
そう思っていたのがいけなかったのか。ガン見してしまったのがバレたらしい。
ぐるんとこっちを見た水色イケメン(仮称)が口を開く。
『やあはじめまして僕はブラーそんなに見られると居心地が悪いからどうせだったらちゃんと向かい合って喋ろうよ君の名前はなんて言うんだいそういえば僕の勘違いかもしれないがキミはどうやら少し遠巻きにされているみたいだね僕個人の第一印象からいうとキミは別に何かしら悪いことをしたとか粗暴であるとかいうタイプには見えないのだがもしかしてそれは僕の勘違いで僕は今とても危険な状況にあるのかいそうでなければ僕の直感は間違っていないしキミは可哀想な事になっているという話なんだけどどちらが正しいのだろうか』
あ、こいつまったくクールじゃない。
『ナマエという。特に悪さもしていないし、外見詐欺と罵られる程度には温厚だ』
『よろしくナマエああ実に良かったよもし僕の見立てが間違っていてナマエが周囲に与えているらしい印象通りの奴だったら僕のこの失礼極まりない物言いで激怒させていても可笑しくないからねそう自覚しているんだ最初から礼儀を欠いて申し訳なかったよ仲良くしてくれると嬉しい僕は見ての通り装甲が薄くてどちらかといえばスピード勝負なところがあるからナマエのような重厚なボディには憧れがあるんだ話しかけてみたくて横に並んだのに周りがざわつくから何事かと思って困惑していたよ』
『そうか、俺も誰かと話したかったところだ。ひとつお願いがあるんだがいいだろうか』
『なんだい僕にできることならできる限りの善処をしよう任せてくれ』
『もう少しゆっくり喋ってくれないか……』
第一印象は涼しげなイケメンだったのに、次の瞬間には早口の変な奴になってしまった。
ブラーのスパークはまず発声回路から作られたに違いない。
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