そしてあくしゅみでもある


『あはははは!!!ぶふぉっ…うく、うはははは!!!見てます?見てください!これ!傑作ですよねえ!』

『見ている』

『お前もディセプティコンだろ!ですって!ですってぇあはははは!!!友軍を背後から撃つオートボット!!!こ、こんなのディセプティコンでやったら処刑ですよお!あっはっはっは!やだお腹苦しい、死んじゃう!』

『そうか』

『せ、背中撫でてください!く、くるしいっ…!』

『こうか』

『くぷぷぷ!あ、あはっ…ふ、ふふふ!』

スィンドルが暇つぶしにナマエのブレインサーキットを解読し、アイセンサーから記録したデータを無駄に大きなモニターに投影したところツボにはまったらしい。

はじめはモニター内のナマエの言動にいちいち『うわあ、癪に障る人格してましたねえ。今のナマエになって少しマシになってよかったと思いますよお。あ、今の発言!うざいですねえ〜!私だったら武器剥いでスクラップにしますよお〜!』とダメ出ししながらエネルゴンを齧っていたが、ナマエが自殺を決意し感情を殺すに至った事件の映像が流れ出した途端にこんな事になった。
当時の自分の気持ちは入念に削除済みなので、自分がやったこととはいえ客観的にしか見れない。スィンドルの発言は辛辣だが正しいのが、少しだけ納得出来なかった。この時の自分は自分なりに頑張って生きていたので、そこまでバカにしてやらないで欲しい。思っていても口に出すな。

『あれえ、なんですかその不満気な顔?怒ってるんですかあ?』

『いや、別に』

『ですよねえ〜!あなたがクズなのは生まれ持った業なので仕方ないんですよねえ。そんなクズを飼ってあげている私はなんて優しいんでしょう!』




『ああ、俺も思う。スィンドルはたまに優しくなるな』


爆笑の余韻で震えていた身体がピタリと止まる。虚を突かれたような顔をして見上げてくるスィンドルは、視線が噛み合って三秒後に再起動した。


『媚びることを覚えましたかあ?いいですねいいですねえ〜。犬らしくなりましたねえ。ではご褒美に美味しいものをあげますねえ』

自分が食べていたエネルゴンの欠片をナマエの口に放り込み、スィンドルは笑った。どこかぎこちなかったような気がするが、笑い過ぎた疲弊のせいだろうとナマエはそれ以上の思考を放棄した。


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