[友人]の自称であり通称だ


特に趣味もない仕事人間もとい仕事ロボ…あれ、これだと工業ロボット的意味合いになる?
とにかく、俺は休みをもらっても寝るか起きるかぼーっとするか程度の選択しかないつまらない男なので、ブラーの身体が馴染むためのリハビリに付き合うのは何の苦もない話だった。正直友達と呼べる友達もブラーしかいないしな。いや、昔はいたんだけど。悲しいことに、俺たちって兵士なのよね。お察しください。眼からウォッシャー液。

ブラーはまだ感覚が上手く繋がれていないらしく、走ったらそのまま壁に突っ込んで、せっかく直ったのに再リペア行きになってしまったのがいたましい。ブラーの速度で壁にぶつかればそのダメージは計り知れず、それが怖くなったのか今度はうまく速度を上げられなくなってしまった。
これは彼のアイデンティティに関わる大きな問題だ。何しろブラーは自称宇宙最速の男で、俺もそれを認めているんだ。ブラーはたまに光をおいていくくらい速い。そうであって欲しい。友にはいつも輝いていて欲しいという俺の我侭もあるので、壁の前で両手を広げてヘイ!カモーン!

『怖がるな。行き過ぎたらちゃんと止めてやるから』
『…!!?』

無理無理無理無理と高速で拒否してくるが、そんなもん知らん。


『俺の装甲は壁より硬い。一番安全なのがこの方法だろ』

どうしたらいいのかわからない。そんな顔をしてらしくもなくオロオロするブラーに、なんの感情も読めないことに定評のある単眼ロボなりの男前スマイルをおくる。





『俺を信じろ。絶対に抱きとめてやるから』


ドグシャア


円形ホール五週して俺へタックル。この距離あわせて軽く20キロかな。
【やるから】の【ら】の部分で既にブラーが腕の中に居たのだが、冷静にブレインサーキット内でアイセンサーで自動録画した映像を巻き戻す。ちゃんと五週している。やっぱり光の速さ超えてないかコレ?一周が0.0000…秒で俺の頭だと計算できないぞどういうこった。

反射的に受け止められたというか、反射的に身体が攻撃を受けたと反応して防御を取ったんだが、飛び込んできたのは爆弾ではなくブラーだった。



『……ほらな、怪我してないだろ』
『…、!』

ああもう首に抱きつくな。そんな風に甘えたって俺は甘くないぞ。ぶつからないようになるまでがリハビリです!オーケー?


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