運命の赤い糸
 全身が縛られているみたいに苦しかった。苦しいところが痛かった。もがいてももがいてもその苦しみはなくならない。痛みが消えない。
 突然襲ってきたそれは、他の人の目には見えないらしい。全身に赤い糸が巻き付いているような痕があるのに、両親は見えないと言った。私の目にはしっかりと写っているのに。どうして。どうして。
 鏡にも写っていなかった。私の目にだけ見える、赤い糸。どこから始まって、どこで終わっているのかもわからないそれ。
 息が苦しくて、酸素が足りなくて、クラクラする。
 涙が溢れた。
 立ち上がれなくなった。
 当然、歩けなくなった。
 首が締まる。
 息ができない。
 言葉が出ない。
 もがけばもがくほど絡み付くのだと気付いたときには、遅かった。
 手足が千切られそうなほどきつく縛られている。
 訳が分からなくて泣き叫んでしまいたかった。でも声が出ないから、ただ涙を流すことしかできない。
 誰も気付かない、ベッドの上で。
 必死に助けてくれと心の中で叫んでも、誰にも届かない。
 胸に、ぽっかりと穴が空いたみたいだった。



運命の赤い糸 【完】