優しさ、ぽかぽか

「っくしゅん」
女の子らしいちょっと可愛こぶったようなくしゃみが響いた。それは私のくしゃみで、響いてみんなに聞こえたことが恥ずかしかった。暖房はついているけど窓際だから冷気が冷たい。ブレザーを羽織ると少し暑くて汗が出る。いつもなら、カーディガンを羽織っているから大丈夫なのだけど、洗濯が間に合わなくて、ちょうど良い温度調整が出来ない。何とか、肌寒い午前の授業を乗り切り、えらちゃんとひまちゃんと一緒にご飯を食べる。ひまちゃんの席に行こうと席を立つと、「社、これ羽織っとけ」と肩にカーディガンが掛けられた。「うぇ、そんな、黛くんが寒くなるよ?」「お前さっきくしゃみしてただろ。それに僕はこんなんで風邪ひくほどやわじゃないから」そう言われては引き下がるしかない。「ありがとう…」お礼をいってカーディガンに袖を通す。当たり前にある身長差で袖がとても余る。すーっと息を吸うと黛家の匂いがして安心する。
そんなことをしながら、ひまちゃんのところに集まってお弁当を食べる。
「てか、黛くんって自分のもの人に貸してくれるタイプなんやね!ひま驚いたんだけど。」
「私もそれ思った!あいつ潔癖っぽそうなのに!!」とえらちゃんとひまちゃんが盛り上がっているのを横目に美味しくお弁当を頂いた。カーディガンはとても暖かくて少し眠たくなった。

2020/09/16