夏の日とアイス店、お裾分け

「あっつー」
半袖シャツの胸元をパタパタと扇ぎ風を送っている立花。
「お前、ちょ、そういうのやめろって」
「だって、暑いんだもん…じゃあ、ヒムが風送ってよ…」
「ええ…めんどくさ…」
そう言って風を送ってやる。それほどに俺はもうこいつに絆されていた。
「帰りにアイス買って帰ろーよ」
「自分の金で買えよ?」
「今日は流石に金あるって〜」
帰りに寄り道する約束ができるほど、俺はこいつに信用されているんだと少し嬉しくなる。桜華とこいつの兄ちゃんとまぁ、他数人くらい。あいつの兄ちゃんと桜華の過保護さは割と異常だ。まぁ、仲のよくしていることを咎められていないということは、俺は比較的安全だということだろう。照りつける陽射しを受けながらアイス屋まで他愛もない話をしながら行く。何を選ぼうか迷っている立花。
「キャラメルもいいけど、どれにしよう…ストロベリーもいいなぁ…」
「トリプルにすれば?」
「アイス溶けちゃうからダブルまでしか頼まない…」
「あ〜…じゃあ、お前の食べたいアイス買って半分すればよくね?」
「は?ヒム天才?それで行こう。すいませーん!」
キャラメルリボンとベリーベリーストロベリーを頼む立花。俺はポッピングシャワーとストロベリーチーズケーキ。「ヒムヒム、こっち向いて」呼ばれてそちらを向くと、キャラメルリボンがすくわれたスプーンを差し出された。「うぇ?マジ?」「何?食べないの?」「いや、貰うけど」口の中に広がるキャラメルの甘さ。「美味いね」「うん、美味しい」あーっと俺に向けて口を開ける立花。ポッピングシャワーをやると、「口の中がぱちぱちする〜」と幼女のようなことを言っている。「そういえば、気にしてなかったけどヒム関節キスだけど大丈夫?」
「お前今更そういうこと言う?」顔が少し赤くなるのを感じながら「あちー」と誤魔化すのだった。

2020/09/16