生きる意味は

「桜華はなんで生きてるんだろうって
考えたことはありますか?」
突然の質問だった。
「そんなこと聞くなんて珍しいね?何かあったの?」
質問を質問で返してみる。
「いや、別に特に深い意味はない」
「そっか、なんで生きてるのか、うーん……」
考えたことがない訳では無い。
人はいずれ死ぬのだから、
死を考える時、生について考えるだろう。
「なんでだろう…死にたくないから、
生きてるのかもね」
「というと?」
「自分が死んで、誰かが悲しむより、
今を生きて楽しんだり喜んだほうが
幸せだと思うからかな」
「桜華らしい前向きな考えですね」
柔らかに私の答えに満足気に微笑む。
「今、未来ある僕らが無意味に
今を捨てる死を選ぶことは、
許されないことだと思うんですよ」
自分の考えを私に通る声で伝える。
「手厳しいね刀也くんは」
「母にも父にも顔向けできないことは
したくないじゃないですか」
そんなことを言う彼もやはり彼らしい
正義に似た考えを持っていた。
「誰かを悲しませたくはないからね
でも、どうしても死にたいという
人の気持ちも否定もしないよ
ただ、本当に無意味に死を選ぶなら
それは止めるべきだと思うの」
眉間に少し皺を寄せて、またいつもの顔に戻って、
「桜華らしい優しい答えだな」
そう言って、あ、そういえば昨日立花が〜なんて
日常会話が始まる。
彼の求めた答えがなんだったかは分からない。
私の死生観でも突然聞きたくなったのかもしれない
存外彼も立花に似て自由なところがあるから
たまの気まぐれの話