崖上の少年と幼馴染02
―…ケントったら、すぐ思ったことを口にしちゃうんだから。
そうお母さんに言われて、「それってだめなの?」って聞いたら、お母さんはまゆげをハの形にして笑った。
―…別に「だめ」って訳じゃないんだけどね。うーん、何て言えばいいのかなぁ?
いいことはいい。
だめなことはだめ。
その2つは全然違うことなのに、どうしてあの時お母さんははっきりとそう言わなかったんだろう。
教えて、くれなかったんだろう。
「おれ、宗介のこと好きだ。」
そしてきっと、これは「だめなこと」だったんだと、そう思った。
「え、」
いつ鬼役の子がやって来るか分からないのに、隣を走っていた宗介は突然足を止めてしまった。
つられて立ち止まって振り返れば、おどろいたように丸くなった目と目が合う。
「…何だよ。ポニョだって、いつも言ってることじゃん。なのにおれが言ったらだめなのか?」
「う、ううん!全然だめじゃないよ!でも……」
「………」
何がだめなのか、よく分からない。
なのに宗介も教えてくれない。
だから、
「あー!そうすけー!ケントー!みっけー!」
その声が聞こえてくると同時に走り出した。
そしてなぜか動こうとしない宗介の横を通りすぎれば、そのほっぺたは何だか少しだけ赤かった気がした。
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(ただ言ってみただけ、)
(それの何がだめなのか、)
(帰ったらまた、お母さんに聞いてみよう)
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嘘つき、ロンリー。